茅ヶ崎市美術館 開館20周年記念 第2弾
今年で開館20周年となる茅ヶ崎市美術館で「原安三郎コレクション 小原古邨(おはらこそん)展ー花と鳥のエデンー」が9月9日から11月4日まで開催されます。前期・後期で展示作品の完全入れ替えで、総展示数は約240点。画家・小原古邨の大規模展示は国内初となります。
海外で人気、画家・浮世絵師・版画家・小原古邨(おはら こそん)
小原古邨は、石川県金沢市出身の明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家。古邨の他に祥邨、豊邨の号で作品を出しています。本名は小原又雄。花鳥画を得意とする鈴木華邨に師事し日本画を習得しました。絵画共進会に作品を出品し、たびたび褒状を得る活躍で版元の大黒屋から花鳥画を刊行、海外おもにヨーロッパへの輸出用の色摺り木版画下絵の製作で高い人気を集めました。
古邨の版画は写生に基づいた写実的な作品で、季節の情感を含む美しい花鳥画は特に海外で高い評価を得ており、画家・クリムトも愛したことで知られています。平成13年(2001年)にアムステルダム国立美術館で日本人作家として初の大規模な回顧展が開催された際は、ジャン・ペレのコレクションが中心となり、日本画・木版画180点が展覧されました。

踊る狐
原安三郎コレクション
今回展示される作品は、原安三郎コレクションによるものです。原安三郎氏は戦前・戦後に活躍した財界重鎮の実業家です。茅ヶ崎市美術館がある「高砂緑地」は、かつて原氏が所有していた瀟洒な南欧風別荘「松籟荘」の跡地にあります。
また原安三郎氏は葛飾北斎や歌川広重などの美術品コレクターとして有名ですが、小原古邨の作品を収集していたことはほとんど知られていませんでした。原氏の没後は日本化薬株式会社の系列会社である中外産業株式会社がコレクションを管理しています。古邨の美しく魅力的な作品の数々をぜひこの機会にふれてみてください。
ギャラリートークなど関連イベントも開催
期間中、ギャラリートークやミニコンサートなど関連イベントも開催されます。事前申し込みが必要なものは、詳細をHPでご確認ください。
- ギャラリートーク 「松籟荘を語る」 9月23日(日・祝) 14時~15時30分
- 家族鑑賞会「ようこそ古邨 あつまれ!みるっこ家族鑑賞会」(要事前申込) 9月29日/10月2日
- カフェトーク「古邨のそこんとこ気になります」(要事前申込)10月13日
- ミニコンサート「なつかしい日本のうた」 10月14日(日) 14時~15時
- 観月句会&茶会「花鳥風月 古邨の世界に遊ぶ」(要事前申込) 10月21日