野毛の探偵は、濱マイクだけじゃなかった―。
地域映画の巨匠、市川徹監督が90作品目にして最後の作品と位置付ける『SWANEE野毛探偵事務所』の制作がまもなくスタートします。
ジョージ・ガーシュインをこよなく愛する野毛のジャズ喫茶ちぐさの主人で、探偵の顔も持つジョージが、横浜を守るために立ち上がる本格派アクションムービー。『傷だらけの天使』や『あぶない刑事』などの脚本を手掛けた柏原寛司さんが脚本監修。
クラウドファンディング実施中
この記念すべき作品を広く知ってもらおうと、広告宣伝や公開費用として6月初旬までクラウドファンディング(CF)を行っています。
地域映画の巨匠、市川監督
市川監督は横浜市鶴見区出身。大学卒業後、開局と同時にテレビ神奈川に入社。編成部の映画担当、営業部、制作部を経て独立。
間寛平さんを主役に起用した『ファンキー・モンキー・ティーチャー』シリーズの3作目で、間さんに「従来の監督は予定外の動きをするとすぐ止める。それが嫌だからぜひ監督をやってほしい」と言われ、初めて映画監督に。
その後も敬愛するロジャー・コーマンに倣い、いわゆるB級ムービーを積極的に手掛けました。『実録・土佐遊侠外伝 鯨路』『広島4代目』『逆鱗組7人衆』、化学者・高峰譲吉の生涯を描いた『さくら、さくら~サムライ化学者 高峰譲吉の生涯~』『TAKAMINE~アメリカに桜を咲かせた男~』2部作などがあります。
また、現在までに地域映画も多く制作してきましたが、きっかけは「街を有名にする映画を予算80万円で作ってほしい」と依頼が富山県氷見市から来たこと。横浜から一人6年間富山県に移住し、地元民や行政にも協力してもらって映画『万年筆』を制作。2012年に公開されました。その後も富山を舞台にした『獅子舞ボーイズ』など地域映画に注力。
2018年には、映画制作の縁で横浜市西区の藤棚商店街にコミュニティスペース、ピュアステージを開設し、2019年には藤棚商店街を舞台にした映画『カラオケや兆治』を作成。
なぜ最後の作品に?
コロナ禍で72歳を迎えた市川監督。SWANEEを撮る理由について語りました。
「様々な価値観が大きく変化せざるを得ない流れの中で、自分が作品を撮り続けることの意味を考えました。肝臓がんの再発というショックな出来事にも向き合いました。体力の限界を感じるようにもなりました。 この辺で監督業にピリオドを打ってもいいかなと思い立ちました。 そして、監督としてどんな作品を最後にしたいだろうとも考えました。 まだ一度も手をつけたことのない、大好きな探偵映画を撮ってみたい、と思いました。しかも、それを、僕らしく、地域映画の決定版にしてみせるぞ!と」
- 市川監督はこれまでの歩みを振り返り、自身の作品を通して映像制作にチャレンジする若者たちに、映画や映像制作を身近に感じてもらいたいと強く希望しています。
横浜らしさ満載の、エンターテインメント探偵物語
2021年8月の公開予定の『SWANEE』。
【あらすじ】
ヨコハマには、もう一人探偵が居た。
野毛のJAZZ喫茶『ちぐさ』のマスター兼探偵のジョージ。ガーシュインに憧れJAZZピアニストを目指すも挫折。祖父から譲り受けた店も、探偵稼業も閑古鳥。町会費も払えずネットオークションに身の回りのモノを出すが誰も差さない。そこへ、かつて一緒に暮らし『チームリサ』のJAZZピアニストとボーカルという間柄だったオンナ、水木リサから電話が入る。NYでJAZZシンガーとして活動しているリサ、面倒は御免と大岡川へ釣りに出かけるジョージだったが、リサに読まれ再会する二人。依頼はJAZZシンガーの卵、木島美帆を5日後までに探して欲しいというもの。そこへ一艘の手漕ぎボードが流れてくる。ボートの中には、首を切られ絶命している男の姿。捜査に当たるのは高校の先輩で元族のカシラだった菅野。報酬にほだされ、依頼を受けるジョージ。リサから送られた美帆の情報を元に調査を始めるが――。
IRの誘致にざわつく横浜野毛の街。
キナ臭い事件や騒ぎに巻き込まれていくジョージ。5日後にジョージが暴いた真実とは。
【出演者】
- ジョージ / デビット伊東
- リサ・テイラー / ナオミ・グレース
- 三ツ沢亮 / 阿部晃介
- 木島美帆 / 杉山真梨佳
ほか
【スタッフ】
- 監督 / 市川徹
- 脚本 / 阪上有紀子
- 脚本監修 / 柏原寛司
ほか
地域映画の決定版。「温かいご支援を!」
「たくさんの皆様に本当に楽しんでいただける『地域映画の決定版』を目指し、最後まで駆け抜けます!」と市川監督。人生最後の監督作品『SWANEE 野毛探偵事務所』に、一人でも多くの支援が集まることを願いながら市川監督は映画制作に取り組んでいます。