小学2年生の時に視覚障害を発症するも、目に見えないものへの研ぎ澄まされた感性を生かし、カウンセラーや鍼灸師として活動する鈴木友紀子さん(茅ヶ崎市内在住)が、自身初となる著書『琉龍紀行 Ryuryu-Kikou』を出版しました。
本作は、視覚にハンディキャップを抱えながら2人の子育てに奮闘・葛藤する鈴木さんに巻き起こった「魂の物語」。目には見えないけれど、確かに存在するものとの神秘的な関わりを通じて、スピリチュアルの世界に目覚めた経緯や、「ナチュラル・クリエイター」として、独自のボイスセッションを手掛けるようになるまでの13年の軌跡を丁寧に綴っています。
そのほか、誰にも共通する宇宙の真理や精神世界の話について、実体験に基づき、美しい情景とともに紹介。自然や空間、地球と波長を調和させながら自分らしく生きるためのヒントが詰まった一冊となっています。タイトルは、深いつながりをもつ沖縄や龍、自身の名前から名付けたそうです。
スマホで1文字ずつ
周囲から「おーちゃん」の名前で親しまれている鈴木さん。幼少期から文章を書くことが好きで、いつか自分のヒストリーを書き残したいと考えていました。これまでは思うように筆が進みませんでしたが、友人が教えてくれた「マヤ暦の13年周期」に着想を得てからは、次々と言葉が紡がれていきました。
とはいえ、スマートフォンの読み上げ機能を使って、1文字ずつ書き溜めるのは「気が狂いそうになるぐらい大変」と吐露。「でも、その大変さよりも、書きたい情熱が勝ったのかな」と微笑みます。
出版社を通じての刊行の話も上がりましたが、あえて自費出版を選びました。製本は知的障害者の作業所に依頼し、販売も自分たちのスタイルに合わせて地道な手売りに。「この本は私の『名刺』のようなもの。私が築いて(気づいて)きた魂の道へのプロセスが、届くべき人に届き、何かの気づきになればうれしい」とおーちゃんは語ります。
点字本でしか読めないおーちゃんは、出版当初、「実は自分はまだ本を読めていなくて、歯がゆさがあるんです」と話していました。しかし、出版を知った点字ボランティアの方から電話があり、点字本にしてくれることが決まったそうです。そのボランティアさんは、おーちゃんの子どもが幼い頃、読み聞かせが出来るように、絵本に点字のテープを貼ってくれた方です。おーちゃんは「また、ありがたい神様の采配で、自分の本を自分で読める日がもうすぐ来ます。とってもうれしい」と声を弾ませます。
著書は税込1200円。取り扱いは、所定店舗のほか、郵送も可能。点字本が完成した折には、通常版と一緒に茅ヶ崎図書館や、おーちゃんの母校の盲学校にも寄贈される予定です。
『琉龍紀行 Ryuryu-Kikou』の取扱店
■ちゅらちゅら治療院・黄色い星カフェ(茅ヶ崎市東海岸南6-4-81スタジオセフィロス内)
■茅ヶ崎南口エコライフゆたか(茅ヶ崎市幸町24-24)
■Fine Village げんき村 元気食堂 (茅ヶ崎市菱沼1丁目4−7)
■みんなの居場所 びすた〜り(茅ヶ崎市南湖4−9−9)
問い合わせは【メール】ochan.yukiko@gmail.com、【携帯電話】090・9373・5751