かながわブランドに認定されている開成町の特産品サトイモ「開成弥一芋」の出荷が最盛期を迎えている。生産者で作る「開成弥一芋研究会」の辻理孝会長は「芋の生育状況は良かった。今年は雨が多かったこともあり、水を好むので成長に好ましい条件だった」と味の良さに太鼓判を押す。
弥一芋は、表面にある縦の刻み模様が特徴。一般的なサトイモに比べ実は白く、粘り気が強い。煮崩れしにくいこともあり煮物に適している。町内の小・中学校などの給食で提供されており子どもたちから好評だという。
今年の作付け面積は約1・6ヘクタール。栽培された芋は、生産者が泥や根を処理し規格に沿って形や5種類のサイズに分類し袋詰めなどにする。最盛期の今、研究会のメンバー27人は2つのグループに分かれ、週2回作業を行っており、10月の開始から12月上旬までに9〜10トンの出荷を見込んでいる。
「今が一番忙しい時期。それだけ多くの人に味わっていただけているのだ思う。良いものをお届けできるよう変わらず努力していきたい」と辻会長は話す。芋はイオンやマックスバリュで12月上旬頃まで販売される予定。
町の特産品に成長
弥一芋は、1903年(明治36)年に同町出身の高井弥一郎氏が栽培したことをきっかけに、戦前まで関東一円で栽培されていた。戦後になると新しい品種に押され生産量が激減し、当時同町でも生産農家はごく少数だった。
2011年に農家有志で「開成弥一芋研究会」を立ち上げ、特産化に向けて始動。13年から、同研究会の他、町、イオンリテール(株)、JAかながわ西湘、県農業技術センターらが協力し、全国規模のブランド化に向け生産拡大から販売促進までの取り組みを行っている。