日本人が歯を失う最たる原因で、40歳以上の８割がり患しているとされる歯周病。この歯周病治療のスペシャリストが藤沢にいる。玉木歯科医院の玉木理一郎院長だ。

　全国に約10万人いる歯科医師の中で２５４人しかいない「日本歯周病学会指導医」に史上最年少で合格。割合にするとわずか０・26 ％の限られた資格だ。

　「歯科医師を教育する歯科医師」として、後進育成に力を注ぐ。同院は日本歯周病学会から「専門医研修施設」の認定も受けており、定期的に教育・研修を実施。ほとんどの認定医院が大学病院の歯周病科などの中、個人の医院が認定されることは極めて稀という。

　原点は、勤務医時代。日本歯周病学会指導医が理事長を務める医院で、治療のいろはを教わった。「技術面のみならず医療人としての心構え、専門書や論文をいくら読んでも得られないこともたくさん教わった」といい、理事長は「師匠であり、恩人であり、第二の父親のような存在」と感謝を込める。

　「先生が自分を育ててくれたように、指導医として多くの歯周病専門医を育成して社会貢献したい」。その思いが指導医としての今を支える。

　現在も診療以外のほとんどの時間を学会・勉強会・研修会・大学兼任講師の職務に費やす生粋の勉強家。「生まれ変わってもまた歯科医師になりたい。患者さんが喜んでくれることが、私の生きがい」。そう言って微笑んだ。

院長プロフィール

県立湘南高校卒、日本大学歯学部卒、日本大学歯学部兼任講師、日本歯周病学会指導医、日本歯周病学会専門医研修施設長ほか