小田原市文化財課(市役所5階)で、資料集『ホール下に広がる小田原藩重臣の武家屋敷』が無料で配布されている(なくなり次第終了)。
小田原三の丸ホールの工事に先立って行われた発掘調査の成果をまとめた冊子で、考古学だけでなく、建築史学の視点を取り入れた論考が寄稿されている。編集を担当した同課の三戸芽さんによると、発掘調査だけでは分からなかった、近世小田原城下の建物の構造や変遷について新たな指摘が得られたという。「私自身勉強になった。冊子を作るのが楽しかった」と振り返る。
当初、小田原三の丸ホール開館記念として、小田原城下の江戸時代の武家屋敷をテーマに、遺跡講演会や専門家によるトークセッションを開催する予定だったが、新型コロナ感染症拡大の影響で中止となった。三戸さんは「今回は資料しかできなかったが、これをきっかけに歴史ファンだけでなく、裾野広く歴史の息吹が伝われば」と期待を込める。
同冊子は着払いで郵送も可能。問い合わせは、市文化財課【電話】0465・33・1715。