三浦市でタウンレポ!青い物体はなんだ?3つ目?大砲?ワニ?その正体に迫る

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今まで見たことのない青い物体

初夏の心地良い風を浴びながら、三崎口駅付近の街並みを車窓から眺めていると、何処からか視線を感じた。周りを見渡すと、今まで見たことのない青い物体を発見。こちらもじっと見つめ返す。哀愁漂うノスタルジックなフォルムで「丸石自動車」の店先にひっそりと佇む。一体何だろう?突撃取材を試みた。

  ◇  ◇  ◇

 「いらっしゃい」。物腰柔らかな雰囲気で出迎えてくれたのは、石川康雄会長。外にある青い物体について質問してみると、開口一番「『LINE HAULER』ですよ。何時間でも話せますからまずは落ち着いて。こちらに座って少々お待ちを」と席に促された。

 しばらくして英和辞書を片手に戻ってきた石川会長は、先ほど発した単語を確認するようにページを捲り「あった。ほら『ラインホーラー』。マグロを引き揚げる機械」と文字を指でなぞって見せた。確かに本体側面の銘板には、くっきりとスペルが刻まれている。

ラインホーラー

 詳しく話を聞くと、1本の幹縄に針金の付いた枝縄をぶら下げて魚が掛かるのを待つ漁法「マグロ延縄漁業」で主に使用する「巻き上げ機」だということが分かった。

 近海で行われるマグロ延縄漁業では、幹縄の総延長が80㎞以上にもなり、そこに餌の付いた枝縄を2千本ほど一定間隔に結び付けて海中に投げ込む。数時間後、揚縄作

業をする際に出番となるのが、船上に設置したラインホーラー。3つのローラー(摩擦車)と強力なモーターなどで構成され、1日掛かりで引き揚げる。この店にあるのは1950年代前後の製品。では、なぜここに?

店のオブジェに

 丸石自動車は別名・丸石製作所とも言い、1948年に創業。石川会長の父である故・英さんが、当時ノルウェーで用いられたラインホーラーの存在を知り、国内でいち早く製造・販売事業に着手した。現在も修理などを受け付けている。

 元号が「平成」に変わる頃、使い物にならなくなった古い機械を店のオブジェにしようと、「ポスト」にすることを決めた。投函口や開口部、真鍮で「〒POST」を作り、新たな息吹を宿した。今では「レトロでかわいい」と記念写真を撮る人もいるという。

 孤立無援に立つ1つのポスト。見果てぬ海へと船出した男たちが、これでマグロと格闘したかと思うとロマンを感じる。

住所

神奈川県三浦市丸石自動車

公開日:2022-05-27

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