金港町にある税理士法人エンパワージャパンの事務所の一角で、星槎学園高等部横浜ポートサイド校に通う学生6人が、模擬会社を設立し、経営を学んでいる。
同法人の穂坂光紀代表=人物風土記で紹介=は、事務所の空きスペースを地域に開放。神奈川区地域子育て支援拠点かなーちえなどに相談しながら、そのスペースでの地域活動の展開を模索するなかで、近隣にある星槎学園との協働ゼミが始まった。
10社の経営者が出資
ゼミでは学生が穂坂代表の指導のもと、経営について学ぶ。座学だけでゼミ活動を展開せず、模擬的な会社を設立。穂坂代表が本業のつながりを活かして、飲食店やエステサロンなどの取引先10社の経営者に株主として出資を依頼し、それを元手に1年間事業を行う仕組みを作りだした。
同校の学生は4月から週1回程度同法人に訪問。模擬会社は「happinestars(ハピネスターズ)」という会社名に。この名は、幸せ(happiness)と星たち(stars)を掛け合わせ「星槎学園である私たちで幸せを創り出していく」という想いが込められている。そして「人を笑顔にする会社、人を幸せにする会社」を会社理念として模擬会社の活動が始まった。
9月1日に開催されたゼミでは、南区で飲食店を経営する(株)ForMの村瀬崇誠代表取締役をゲストに授業を展開。村瀬代表は和食専門の料理人という経歴から飲食店を立ち上げる経緯や、コロナ禍でテイクアウトや新メニューの開発などを工夫したこと、「料理を食べて頷くお客さんの姿を見ることとが何よりも嬉しい」など、仕事のやりがいを語った。
後半は、模擬会社の事業を具体化していく時間に。人を笑顔に、人を幸せにするためには、どのような事業していくべきかを、経営者の助言を聞きながら話を前に進めていた。