「一日だけ、図書館に探偵事務所が開設される!?」と聞き、早速横浜市港南区にある港南図書館に行ってきました。館内の一室には「森の中のプレイパーク 港南探偵事務所」の文字。中に潜入してみると、すでに探偵を目指す子どもたちが少し緊張した面持ちで待っていました。
実はこれ、横浜市が取り組む「横浜みどりアップ計画」(※)の一環。横浜市は都市でありながら、農地や樹林地など豊かな緑に恵まれています。この横浜の緑を次世代に引き継ぐため、様々な取組を推進しています。その柱の一つ「市民とともに次世代につなぐ森を育む」で、市民が森に関わるきかっけづくりとして、森の中のプレイパーク事業「めざせ名探偵!森のパズルを解き明かせ!」を行っているんです。
いよいよ探偵になるミッションを発表
探偵事務所にあつまったのは、名探偵を目指す8人の小学3年生から6年生の子どもたち。まずはチーフ探偵から、「名探偵を目指して〝森のパズル〟を解く」という本日の最終ミッションが発表されました。一体、「森のパズル」とは何なのか。「?」を浮かべる見習い探偵の子どもたちに、渡されたのは「探偵手帳」でした。
- 手帳を開くと、名探偵になるための3カ条--①するどい感覚②好奇心③あきらめない心が。さらに、パズル解読のポイントは「みんなの協力」だとか。
そしていよいよ、野外に出る準備をして、調査現場にいざ出動!探偵事務所から歩いて数分のところにある調査現場「ゆりのき公園」に到着しました。
じゃんけんで落葉拾い
まずは、近くにいる人とジャンケンをして、勝った方が落ち葉を拾えるゲームに挑戦。さあ、どんな落ち葉が拾えたかな? 拾った葉っぱの色や形、音や触った感触などを確かめます。
フィールドビンゴ
自然に触れ合ったあとは、フィールドビンゴです。「たてじま」「ひらひら」「においのするもの」などのキーワードに合った生き物や植物を五感を使って探します。「この花、匂いがする!」「ちょうちょは、ひらひらじゃん!」あちこちで、発見する見習い探偵の声がします!
生き物についての調査と収集
野外調査の最後のミッションは、森のパズルを解く〝鍵〟となる生き物についての調査と収集。クスノキ班、͡コナラ班、カタバミ班に分かれて、こまかな調査が始まりました。チーフ調査員の協力のもと、どんな不思議が見つかるかな?
探偵手帳に集めた情報や不思議に思うことを書きとめたり、木の実や葉っぱなど証拠品を集めたり…。夢中になっていたらあっという間に野外調査は終了してしまいました。探偵事務所に戻る道すがらも沿道の植物が気になる様子。わずか数時間で、探偵らしい観察力が身についたようです。
図書館の本で証拠品などを調査
探偵事務所に帰ったら、早速、証拠品を並べて、本を使った調べ学習のスタートです。特別調査員(図書館スタッフ)の助けを借りて、疑問が解決できるような図鑑や本を選びます。また、証拠品として押収した木の実を割ってみたり、葉っぱのにおいをかいでみたり。
- 五感と本を使って、鍵となる植物の調査報告書を作成していきます。
報告書が完成したら、各班から「昔、コナラの実は主食で、クッキーとかおせんべいにして食べていました」「夜になると葉っぱが閉じるので、カタバミという名がついたみたい」などといった発表がされました。
そして、ついに、「森のパズル」の解読に挑戦。鍵となる植物の調査がヒントとなるクイズの答えを文字列から探し出し、キーワードになる文字を見つけ出しました!
最後に各班から出そろった5つの秘密の言葉をならびかえると…。「もりはまだまだみすてりー」というメッセージが完成し、森のパズルの解読が見事成功!8人の名探偵が新たに誕生しました。
- スタッフは「公園や森にはまだまだ不思議なミステリーがあります。これからいろいろな市民の森に行って、不思議なことを発見してください」と話していました。
横浜市には43カ所の散策できる市民の森があるそうです。このイベントで自然に興味を持って、森に行くきっかけになれば嬉しいと思います。
※「横浜みどりアップ計画」って?
緑の減少に歯止めをかけ、豊かな緑を次世代に引き継ぐために、横浜市が2009年から策定している計画で、「みんなで育むみどり豊かな美しい街 横浜」を理念に掲げています。「横浜みどり税」を財源の一部として活用し、市民・事業者とともに森の保全や農を感じる場づくり、緑のまちづくりなどの取組が進められています。