葉山郷土史研究会が発行する『郷土誌 葉山』第16号が、まちづくり館で販売されている。
今回は2つの特集を組んだ。「葉山から『消えた』モノ・コト」では、寺社や寺子屋のほか、乗り合い馬車や土屋造船所、三ヶ浦村の魚市場など、かつての暮らしぶりや文化を伝える場所を紹介。1953年に長柄地区の地元有志によって御霊神社で行われた鏑流馬神事といった行事のほか、ゴルフ場や湘南国際村の開発に伴って消えた山などにも触れている。
もうひとつの特集では、「葉山ゆかりの文学散歩-鐙摺・森戸・芝崎-」と題して、作品と場面、そして場所を網羅した。
担当した鈴木雅子さんによると、様々な人たちの協力を得ながら、約30年にわたって葉山が登場する文学作品を収集。郷土誌を片手に、実際に散歩しながら見て周れるコースを設定した。
『吾妻鏡』の記述を題材にした歴史物から社会現象となった湘南とヨットにまつわる世界、そして堀口大學をはじめ、数々の作家・詩人の葉山での生活や作品との関連を記載した大作になっている。また、「葉山で撮影された映画」を紹介するなど今回も盛りだくさんの内容だ。
税込1千円。問い合わせは同館【電話】046・876・0421