【鎌倉のとっておき】 かまくら花めぐり<浄妙寺・夏から>

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【鎌倉のとっておき】 かまくら花めぐり<浄妙寺・夏から>
初冬の浄妙寺

 初夏の頃は紫陽花。裏山の散策路(山あじさい小径(こみち))では、射干(しゃが)の群生が咲き終わると、山紫陽花や額紫陽花が、辺りを青紫色に染めていく。また、境内を抜けて「石窯(いしがま)ガーデンテラス」へ続く道は、青や薄紅色などの紫陽花で彩られる。そしてテラス前では、白い紫陽花(アナベル)が一面に咲き揃う。中には珍しい淡桃色の花も見られ、その規模は鎌倉随一である。

 盛夏の頃は百日紅(さるすべり)。本堂や喜泉庵(きせんあん)前などで紅白の花を咲かせる。テラスへ続く道では、百日紅と競うように蓮が咲く。また、足利直義(ただよし)(足利尊氏の弟)の墓所周辺に広がる緑の竹林は、笹鳴りの音とともに涼やかな風を運んでくれる。

 夏から秋にかけて、本堂前や裏山では、ピンクや白の芙蓉(ふよう)が咲き始める。また、本堂裏の足利貞氏(さだうじ)(足利尊氏の父)の墓所周辺では、淡桃色の秋桜(こすもす)が秋風にそよぐ。季節が進むにつれ、散策路では薄紅色の秋明菊(しゅうめいぎく)も咲き始める。

 初冬の頃は紅葉(もみじ)。本堂前では、真っ赤な紅葉と黄色い銀杏(いちょう)とが、緑青色の屋根と澄んだ冬空を背景に美しく映える。そして紅葉の落葉は、白砂の庭園を赤や黄色の色鮮やかな絨毯(じゅうたん)へと変えていく。また、裏山の散策路に立ち境内へと目を移せば、色づく木々を背に、錦秋の衣張山(きぬばりやま)を望むことができる。
足利氏縁(ゆかり)の浄妙寺。四季折々、季節の花々と禅寺の風情を味わえる趣深い寺である。

石塚裕之

『鎌倉のとっておき』へ

住所

神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-31 浄妙寺

費用

大人(中学生以上) 100円
小学生 50円

問い合わせ

浄妙寺

電話

0467-22-2818

0467-22-2818

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公開日:2023-05-31

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