藤沢市公式マスコットキャラクター「ふじキュン♡」のイラストが、市ホームページ上に公開されている。5月31日現在でその数393種類。販売などの営利目的でない限り手続き不要で誰でも使用できるとあって、記者自身も紙面掲載に活用している。その作業を見ていた同僚が一言。「なぜこんなにたくさんあるの」。当たり前になっていたが、理由を考えたことは無かった。400種到達目前の今、取材、調査を進めた。
「『数が多いね』と言われたのは実は初めて。気に留めたこともなかった」
393種類のふじキュン
藤沢市広報シティプロモーション課の女性担当は驚いた様子で応じた。5月末時点で市HP上には、393種類のふじキュンが公開されている。「野球バットを振る姿」「リュックを背負う姿」など愛らしいものから「スライム風」「テレビゲームのドット絵風」など、原型をとどめていない個性的なものまでさまざま。取材時に他自治体で公開しているイラスト集(くまモン214種類、ざまりん262種類等)を見せると、「ふじキュン頑張っているんですね」と労う様子だった。
誰でも自由にダウンロードできる
かなりの数があり、あらゆる用途にも使えそうなものだが、女性職員は嘆く。「『こういうふじキュンもっとないの』と要望がある」
新規イラスト作成の仕組みは、市の事業やイベント実施時に、担当課からの依頼をシティプロモーション課が受け、「ふじキュンのイメージを損なわないか」「事業後も活用しやすいか」を検討。その後、生みの親であるイラストレーター・向井アリーさんや作成業者へ発注する。イベントチラシなどで活用後、イラストのストックが数十程度できた時点で、HP上に更新。更新頻度や数は不定期。更新後は「手引き」に基づき誰でも自由にダウンロードできる。
400近くある中で人気のものはと聞くと、「基本的に申請不要なのでダウンロード数のカウントはない」。一方で「最近は市民サークルのスポーツユニフォームにワンポイントでいたり、街中の看板にもよく見かけます」と同担当。活用自体は増えているようだ。
数が増えた理由について同担当は「市の認知度を上げたい目的なので、各課からの作成依頼は基本受け入れる姿勢があるから」と分析した。