秦野市は7月1日(土)から、事実婚カップルやLGBTQなど性的少数者などの関係を認める「パートナーシップ宣誓制度」をスタートします。
「パートナーシップ宣誓制度」とは、互いを人生のパートナーとして尊重、相互に責任を持って協力し、継続的な共同生活を行うことを約束した関係であることを宣誓した2人に対して、秦野市が「パートナーシップ宣誓書受領証」「宣誓書受領証カード」を交付する制度。法的な効力はないが、受領証を提示することで周囲に関係性を示せるほか、市営住宅に家族として入居ができたり、市税に関する証明書の交付申請において原則委任状が省略できるなど、行政サービスを受けられるようになります。
宣誓対象は、【1】互いにパートナーシップの関係にある、【2】成年に達している(18歳以上)、【3】秦野市内で同居、または1人が秦野市内在住者でもう1人が3カ月以内に同居予定、【4】現在婚姻していない、【5】宣誓者以外の相手とパートナーシップの関係にない、【6】互いに近親者ではない(ただし宣誓者同士が養子縁組をしている場合を除く)の全てを満たすことが条件。6月5日から予約受付を開始しており、宣誓を希望する日の1週間前までに、秦野市市民相談人権課へ電話予約(【電話】0463・82・7618)をします。必要書類(住所・独身・本人確認書類、通称名を使う場合は確認書類)を揃え、宣誓当日に2人で秦野市役所(桜町1丁目3−2)へ来庁。宣誓書等に記入をすることで宣誓書受領証が即日発行されるほか、希望者には宣誓書受領証カードも発行されます。
「性の多様性理解を」
秦野市では2〜3年前から「人権を尊重し多様性を認めあう社会づくり」の推進のため、多様性をテーマとした講演会や職員研修、映画上映などを開催してきました。2022年秋には秦野市民に対しWEBアンケートを実施。パートナーシップ宣誓制度について「異性カップルを含め対象にする必要がある」49・8%、「性的少数者についてのみ必要がある」9・3%を合わせて約60%が制度への理解を示しました。秦野市は近隣市町村の状況なども把握しながら導入に向けて検討を図り、今年7月から開始することとなりました。
秦野市市民相談人権課では「制度を導入することで、周囲に関係性を理解されずに苦しんでいる方が自分らしく生きていけるよう市として応援ができる」とコメント。「当事者の利便性が高まると共に、性の多様性について市民の理解を促進、啓発していけるよう取り組んでいきたい」と話している。