川崎鶴見臨港バス「桜本」バス停(川崎駅方面)にこのほど、ベンチ2基が新調された。これまで設置されていたベンチの撤去と新たな設置を訴えていた近くに住む小川里美さんは、新しく設けられたベンチを前に、ほっとした表情を浮かべる。
「これまでのベンチはプラスチック製で破片がむき出しになっていたり、背もたれが外れてしまっていた。お年寄りが転倒したりプラスチックの破片を触ってけがをする恐れがあった」と小川さんは振り返る。2月下旬に関係機関などを通じ、撤去を要望したところ、その数日後に道路公園センターによって撤去が行われた。
胸をなでおろした小川さんだったが、バス停利用者は高齢者が多いことに気づいた。バス停の目の前には総合病院があり、通院者や体調の悪い人の姿を目にした。妊娠中でお腹の大きい女性も立っていた。「バスを待っている間、とても不安な思いを抱えているはず」。小川さんは、地元小学校でPTAを務めていることから、仲間内に相談。やがて、その声が桜本2丁目に届いた。バス停ベンチの設置には、自治会町内会が申請し、道路管理者に許可を得て設置する方法もあることから、同町内会の働きかけで実現にこぎつけた。
新調されたベンチはアルミ製。一基は幅150センチ、奥行き36センチ、高さ40センチ。もう一基は幅180センチ、奥行き36センチ、高さ40センチ。小泉茂造桜本2丁目町内会長は「PTAの優しさが実を結んだ」と語った。