竹林の整備・保全を通して美しい自然を残そうと、三浦半島で活動する市民グループ「三浦竹友の会」が、今年で設立20周年を迎えた。農家や寺院、幼稚園といった土地所有者の依頼を受け、月1回ほどの頻度で各地の手入れをすべて無償で請け負う傍ら、市民講座などで天然資源としての竹の魅力を伝えている。
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近年、高齢化や後継者不足などにより、手入れの行き届かない竹やぶが増加。景観を損ねるだけでなく、防犯面や生態系にも悪影響を与え、「竹害」は社会的な問題となっている。
こうした状況から「竹林再生」を掲げ、2003年6月に旗揚げしたのが竹友の会。現在40人ほどが会に所属し、三浦・横須賀・逗子・葉山の3市1町、計13カ所で作業に汗を流す。
オレンジ色をした揃いのベストを着たメンバーが、すっくと伸びた竹を1本ずつのこぎりで伐採し、葉や枝を削いていく。かつては人が立ち入れないほど草木が生茂る竹やぶだったが、今ではほど良く光が差し込む竹林に生まれ変わった。
中村力代表は「仲間との交流と作業後の達成感がやりがい。春は”報酬”としてタケノコをオーナーから分けてもらうのも楽しみ」と清々しい表情で語る。
旺盛な繁殖力と生育スピードが早い竹は、1年で15〜20mにも成長するため、活動そのものにゴールはない。会員の多くは設立当初からの70〜80代が多く、高齢化が課題。次世代に竹の魅力を普及・啓発するため、門松づくりなど竹細工講座の開催や三戸の福泉寺で今夏行われた「盆竹灯籠まつり」に材料と道具類を提供している。「日本人が古来より親しんできた風景をよみがえらせたい」と中村代表。会では現在、新規会員を募集中だ。
詳細は竹友の会HPへ。