誰でも食事・交流ができる地域食堂「おてら食堂」が、10月1日から大町の安国論寺で始まる。市内で地域食堂を開く(一社)ふらっとカフェ鎌倉、地域包括支援センターを担う(社福)きしろ社会事業会と同寺の共催。さらに大学や近隣の農園、学童保育の子どもたちなど、地域の協力の輪も広がった。初回は地元ゆかりの料理などを提供予定だ。
「コロナ禍で学校が休みになった頃、子ども食堂をできないかと構想していた」と話すのは、同寺の平井智親住職。当時は鎌倉に来て2年ほどで伝手がなく、実現はできなかったと振り返る。
再び動き始めたのは、鎌倉で勤務・活動する人らをつなぐ企画「鎌倉市100人カイギ」で、ふらっとカフェの渡邉公子代表と出会ってからだ。ふらっとカフェでは、家庭などで使いきれない食材を募り、それを活用した地域食堂を御成町や二階堂などで開いてきた。大町のエリアではまだ実施できておらず、協力者を探していたという。
互いの思いが合致し、大町・材木座の地域包括支援センターを担う(社福)きしろ社会事業農園や学童も協力会の協力も得られ、10月から毎月第1日曜日に「おてら食堂」と題した地域食堂の実施が決まった。
農園や学童も協力
さらに、ふらっとカフェの活動に以前から協力している鎌倉女子大学管理栄養学科の学生や、地元で育てた野菜を提供している長岡農園、「社会貢献活動をしたい」という学童保育施設「晴れ間」に通う子どもたちなど、協力者も増加。10月1日の初回は、建長寺ゆかりの「けんちん汁」や安国論寺に伝わる「御難おにぎり」などを提供し、その由来紹介や食べ物クイズも行う予定だ。「皆の得意が集まり、地域がつながって開催に至った」と渡邉代表。「お寺は敷居が高いと思われているが、気軽に来てほしい」と平井住職は呼びかける。
おてら食堂は、事前予約制(30人)。正午から午後1時まで。中学生以下無料、大人500円。運営ボランティアや食材の寄付も受け付け中。予約・問い合わせは、渡邉代表【携帯電話】090・5199・1654。