高津区内にある「富士通ゼネラル体育館」(久本2の7の20)が施設老朽化等を理由に閉鎖される。当初は3月末に閉館予定だったが、利用者の期間延長を求める声に施設所有者側が応じ半年間、先送りとなっていた。最終開館日は9月30日。関係者の心中は―?
1961年に開所から60年以上愛され
富士通ゼネラル体育館は1961年に開所。民間企業の所有施設ながら社員等の利用のみならず、一般の市民にも供用されており、アクセスの良い場所柄などもあり年々利用の幅を拡充。天候に左右されることなく運動ができる施設として、市内でも屈指の人気スポットに数えられてきた。一方で開所から60年以上が経過し、耐震面などの対策が急務となっていたほか、電気系統など各箇所で施設老朽化が急進。施設側の広報担当者も閉館に至った理由に「施設の老朽化」と「嵩む補修費用に対する財政上の問題」を挙げ、さらに「都市計画法の改正に伴い、体育館のある場所の区分が『住居専用』になったため、建て替えもできない」といった状況を説明。苦渋の判断とした上で、当初の閉館予定を半年間延長。署名活動を展開した利用者からは「とりあえず急な閉館とはならず、ほっとしている」などと安堵の声が挙がっていた。

川崎市内でも屈指の人気スポットだった
コロナ禍前は3万人利用
その延長期間も30日まで。委託を受け2015年8月から運営管理を担当してきた「高津総合型スポーツクラブSELF」では「『地域のアットホームな体育館』として、地域で愛されるスポット、地域コミュニティの場として運営管理を手掛けてきました」と説明。委託を受けた当初の年間利用者は約6千人だったが、地域ニーズを的確にリサーチし続けた結果、コロナ禍に見舞われる前(2020年)には年間の延べ利用者が3万人に達していた。それだけに、今回の施設閉鎖を一層残念がっていた。

かつてはプロレスの会場になった事も
豪華な景品も用意
利用者にとって「生活の一部」ともいえる場所の最後を皆で見届けるべく、30日には「閉館イベント」が行われる。
午前10時から午後7時まで終日、楽しめる企画が多数用意されるほか、来場者には抽選券を配布。運が良ければ豪華な景品を手にする事もできる。SELF関係者は「皆様と交流が出来たことに感謝したい」と話すと共に、来場を広く呼び掛けている(催し詳細問合せは【電話】044・833・2555)。