【鎌倉のとっておき】 かまくら花めぐり<安國論寺>

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【鎌倉のとっておき】 かまくら花めぐり<安國論寺>
安國論寺の金木犀

 安國論寺は、1253年日蓮上人が安房国(千葉県)から鎌倉入りし、草案を結んだ地に創建された。ここには『立正安国論』を執筆したという御法窟(ごほうくつ)や、焼き討ちにあった際、白猿に導かれて一夜を明かしたという南面窟(なんめんくつ)などの見どころも多い。

 ここに咲く花といえば、初春の頃は梅。境内の其処此処(そこここ)で紅白の花々が香り始める。また、尾張徳川家が寄進したという御小庵(ごしょうあん)近くでは、赤い椿の花もほころぶ。春が進むと、本堂右の2本の枝垂桜が沢山の薄桃色の花を咲かせる。本堂横の桜が白い花々を付ける頃、御小庵前では、上人の桜の杖が根付いたと伝わる妙法桜(みょうほうざくら)(市天然記念物)が八重の花々を咲かせてくれる。この時期には、山吹や紫躑躅(むらさきつつじ)なども咲き始め、境内は彩(いろどり)を増していく。

 初夏の頃は石楠花(しゃくなげ)。本堂前で赤紫色の花を開く。そして紫陽花。参道や本堂前では、額紫陽花など多様な紫陽花が、青紫色など彩豊かな花々を咲かせてくれる。この時期の境内では、清楚な山百合も開き始める。盛夏の頃には、百日紅(さるすべり)が鮮やかな濃桃色の花々を付ける。

 秋は金木犀(きんもくせい)。境内全体が甘い香りに包まれる。秋も深まると、本堂前の山茶花(さざんか)(市天然記念物)が真っ白い花を付ける。そして初冬には、紅葉(もみじ)や銀杏(いちょう)が赤や黄色に色づき、その落ち葉が境内に織りなす光景は錦絵のごとく美しい。

 松葉ヶ谷(まつばがやつ)に佇(たたず)む安國論寺。鎌倉有数の花の寺である。

石塚裕之

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住所

神奈川県鎌倉市大町4-4-18 安國論寺

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公開日:2023-11-10

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