神奈川県の「松田町」って、いいとこじゃない?~仕掛ける若者たちのストーリーに密着~
松田町は神奈川県の西部に位置する人口1万人ほどの町。雄大な富士を望む立地、そして丹沢山系の豊かな自然や清流が最大の魅力で「深呼吸したくなるふるさと」という表現がピッタリ。これだけ聞くと松田町を知らない人は「どれほどの田舎なんだろう?」と思うかもしれません。実はそこがポイントで、松田町はいわゆる『田舎』とは少し違います。東京から車で約40分、新幹線が通る小田原駅まで電車で約10分。東名高速道路(大井松田IC)や小田急線(新松田駅)、JR御殿場線(松田駅)のほか、国道246号と255号が交差するなど、交通アクセス抜群なのです。田舎の雰囲気が味わえる場所というところでしょうか。
未来を変えるために、動くのだ!
どんなにいい土地でもその魅力が広く知られていなければ、今以上に人が訪れることも、暮らす人が増えることも望むことはできません。時代は超高齢社会にあり、人口減少の波は松田町でも同じです。このままの状態が続いていけば、人と人とのつながりで継続されてきた地域活動の維持は困難になり、町の地域活性化を担う人材確保もおぼつきません。未来を変えるには、移住定住人口の増加と人口流出の防止がカギです。
松田町も対策はたくさん打ってきましたし、今も打ち続けています。今回取材したワークショップは、こうした課題解決の場に若いアイデアも取り入れていこうと企画されたものなのです。
おもしろいモノ、つくろうぜ!
ということで、町の代表的な観光スポットである西平畑公園をPRする動画をつくり、公園利用の促進と町の認知向上につなげていくのが今回のミッション。経験豊富な講師の下で「動画とは」から学んでいきます。
言うまでもなく、巷には動画コンテンツがあふれている時代。「映え」より「エモ」? 大人が気付いていな魅力は何? 何をどう作ればいいのか―。動画の目的を確認し、作る側の目的とメッセージを明確にしていきます。見る人がいつどこで見るのかにも気を配り、話し合いは続きます。
ただいまロケハン中………
最低限の基本を押さえたところで、参加者たちは西平畑公園内のロケハンへと出発。この日は関東甲信地方に雪予報が出るなど、朝から冷え込みが厳しい一日。加えて、山の上の公園は風も強く参加者たちも苦戦。それでも、じっくりと園内をまわりながらイメージを固めていきます。
西平畑公園奥に位置する自然館
自然館は見て、触って、作って、楽しむところ。工作の見本もいっぱいです。過ごし方は自分次第で「なかなかないよね、こんな場所」。「結構、時を忘れるよね」
これは有名、空中ブランコ!?
晴れた日には、後方に富士山がドーン。撮影者があおり気味で写真を抑えれば、まるで空中ブランコに乗っているかのような写真が撮影できます。「これは鉄板じゃない?」「でも、みんな知ってるでしょ」。
眼下には花がいっぱい
春には菜の花と桜が競演。ピンクと黄色が一面に広がります。足柄平野に、海や大島も。「みんなが知っているものでは新しさがでないよね?」「でも、見せ方次第で新しいものに変えられるんじゃない?」。
ハーブ園の途中で一休み
「眺めがいいとかを伝えるだけなら、同じような場所はいっぱいあるよね」「それじゃあ魅力にならないね」「ここでしかできない過ごし方を提案すればいいんじゃない?」。
受け取る側の印象は伝え方次第
「それにしてもこの坂、もはや筋トレだよね」「確かに!春にはハーブを見ながら、筋トレもできるって、新しくない?」。
こんな景色なら何でもはかどりそう
「景色って、やっぱり癒されるよね」「勉強疲れたらここに来るとか、勉強するためにここに来るとかありじゃない?」「いい、いい!」。
イメージが共有できたら、コンテ作成
方向性が固まってきたら次はどう見せるか。ロケハン中に撮影してきたデモ動画や写真に言葉を交えながら場面を考えていきます。書いている内にナレーションやテロップ、撮影時の小道具など、アイデアは次から次へ。撮影前ではありますが、時間が経つにつれ、それぞれが作りたい動画のイメージがどんどんブラッシュアップされていくのがわかります。
こうして初回のワークショップは終了。ここからどんな動画が生まれるのでしょうか、お楽しみに。
松田町プロモーション動画制作ワークショップ
西平畑公園に若者を集めよ!PR動画を作る2DAYS
制作した動画は、町公式サイトや町SNSなどを通じて公開・発信する予定です。