土産づくりの機運につなげ
「大磯産原材料100%」で作った「大磯はるみ糀甘酒」「大磯はるみ糀みかん甘酒」が大磯町内で販売されている。甘酒は大磯町商工会有志「大磯産業プロジェクト」(芦川博昭代表)が開発したもので、米、米麹、みかん果汁のほか、ラベルのデザインなども町内事業者が担い、大磯要素が詰まった甘酒となっている。
大磯産業プロジェクトの代表で、芦川酒店を営む芦川さんは、「大磯は今後、明治記念大磯邸園の開園も控え、地産地消のお土産づくりが大切になってくる。今回、補助金などを使わずに町内の店舗が力を合わせて商品開発する事例を作ることができた。お土産づくりの機運を高められたらうれしい」と話す。
甘酒には大磯町内で生産された米「はるみ」のほか、町内で収穫された青島温州みかんの果汁を使用。スムージーのようななめらかな舌触りと、はるみの持つ角のないやさしい甘み、すっきりとした後味が特徴で、温めても、常温でも、冷やしても美味しいという。大磯港のデザイン灯台やみかん畑が描かれた大磯の景色を凝縮したようなラベルは町内在住のイラストレーター・たかしまてつをさんがデザインし、成分表示等のラベルは同じく町内在住のグラフィックデザイナー・佐藤一樹さんが担当した。プロジェクトには、戸塚正商店、加藤農園、たかしまさん、佐藤さん、芦川酒店が参加。
川場村との縁が後押し
同プロジェクトが甘酒を初めて開発したのは2019年。原材料に大磯産米を使っていたものの米麹までは町内で賄えず「大磯100%」には至らなかった。
今回の甘酒は、群馬県川場村の有限会社かわばが製造。川場村は大磯町と地域活性化に向けた包括連携協定を22年に結んでおり、商工会の会員同士が交流した際に、川場村商工会の遠藤淳副会長が甘酒製造を営んでいることを知った。大磯町商工会の会長でもある芦川代表が甘酒製造のことを遠藤副会長に相談すると、「米麹まで大磯産でやりましょう」と開発を後押し。町内の米店「戸塚正商店」の知り合いの味噌店に米麹作りを依頼し、全て大磯産の甘酒を製造するための原材料が揃った。
芦川代表は、「川場村との共同事業として開発できて良かった。丸ごと大磯でできた甘酒なので、長く愛される商品にしたい」と話していた。
甘酒は500ミリリットルで1千円(税込)、みかん甘酒が1100円(税込)。芦川酒店、戸塚正商店、エーティーギャラリーアンドカフェのほか、肉のハマダ、地場屋ほっこり、オオイソコネクト、ファミリーマート大磯店で販売している。