天神町出身の新谷雄太朗さん(18)が2月20日、大相撲の春日野部屋に入門した。「わんぱく相撲三浦場所」で、小学4年から6年まで3年連続優勝を果たした逸材。入門2日前に潮風アリーナで壮行会が開かれ、わんぱく相撲の関係者や相撲道場の指導者ら集まった約30人が角界入りを祝福した。3月の新弟子検査を経て、大阪場所で新序出世披露を迎える。
「強くなりたい」
三崎小学校1年の時に当時の担任教諭から体格の良さを買われ、わんぱく相撲三浦場所に出場した新谷さん。三浦と横須賀で活動する葵相撲道場でも稽古に励んだ。
いつしか「最高峰の舞台で戦いたい」と夢を抱くようになり、千葉県にある相撲の名門、柏市立第二中学校に入学。親元を離れることになったが、母の美鶴さんは「不安や寂しさもあったけれど、子どもの気持ちが一番」と背中を押した。
三浦では「向かうところ敵なし」だったが、上級生はおろか同級生にも投げ倒され、勝負の厳しさを痛感した。くじけそうになりながらも「もっと強くなりたい」という思いのみが両足を支えていた。たゆみない努力と野心を胸に挑戦を続け、関東大会で団体2位に貢献。その後、数多くの力士を輩出した和歌山県立箕島高校に進み、インターハイ団体3位、全国選抜弘前大会個人ベスト8など好成績を収めた。
身長179cm、体重125kg。得意技はすくい投げで土俵際での柔らかさが武器。春日野部屋は葵相撲道場と縁があり、小学生の頃から見学に訪れた馴染みある場所だ。親方の清見潟雄一郎さん(元・栃煌山)は、自身の憧れの力士でもある。
感謝忘れず土俵へ
壮行会では、懐かしい面々から「横綱を目指せよ」などと激励された。「誰一人として欠けていたら、今の今まで相撲を続けられなかった」と感謝の言葉を口にする新谷さん。「ファンから愛される力士」。見据えるのはそんな景色。「早く土俵に立ちたい」と強い意志を瞳に宿らせた。