海老名市と綾瀬市を拠点に神奈川県から委託を受け、社会福祉法人唐池学園が運営している里親支援機関の「里親センターひこばえ」。ここでは神奈川県内の政令指定都市と中核市を除いた全域の里親支援を行っています。そんな里親センターひこばえにタウンニュース記者が取材させていただき、そもそも里親とは里親制度とはどのようなものなのか、どんな活動をしているのかなどをレポートしました!
そもそも里親ってどんな制度?
そもそも「里親」がどのような制度か皆様はご存知でしょうか。「里親」という単語を聞いた時に連想されるのは「養子」や「養子縁組」という言葉ではないでしょうか。
- 「里親」:親に代わって子どもを育てる家庭のことを児童福祉法で「里親」と呼びます。
- 「里親制度」:育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度で、里親と子どもに法的な親子関係はありません。
- 「養子縁組」:「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があり、法的な親子関係が成立するのは、0歳から15歳未満が対象となる「特別養子縁組制度」になります。
つまり里親と養子縁組は、同じ子どもたちを守る制度ですが違う制度なのです。
里親にはどんな種類があるの?
里親には大きく分けて4つの種類があります。それは「養育里親」「専門里親」「親族里親」「養子縁組里親」です。
(1)「養育里親」
養子縁組を目的とせずに、家庭で暮らすことのできない子どもを一定期間養育する家庭。短期間のみ子どもを預かる家庭もあります。
(2)「専門里親」(養育里親の登録が必要になります。)
期間を2年以内と定めて、虐待、非行、身体・知的・精神障害などの理由により専門的な支援を必要とする子どもを養育する家庭のことを言います。「専門里親」になるには専門里親研修を修了するなどの要件があります。
(3)「親族里親」
その名の通り、3親等以内の親族が養育する家庭のことをいいます。
(4)「養子縁組里親」
養子縁組によって養親となることを希望する家庭のことをいいます。
このように一言で「里親」といってもこれだけの種類があるということに驚かされました。私も正直に申し上げますと、「里親=養子縁組」と思っていました。お恥ずかしい限りです。
ひこばえではどんな支援をしているの?
里親センターひこばえでは、里親はもちろん、里親に興味がある人や里親になりたいと考えている方々の相談に加え、神奈川県内の里親の皆さんが情報交換できる場所の提供や里親制度について知ってもらうためにさまざまな活動を行っています。
同センターでは、里親になりたい人や興味がある人に向けて「オンライン説明会」を開催し、参加者たちの疑問や不安の解消に協力しています。
- 担当責任者の石井千佳子さんは「オンライン説明会ではスタッフがわかりやすく解説し、ささいな質問にもお答えさせていただきます。里親に少しでも興味のある方はぜひご参加ください」と話しています。また、定期的にサロンを開催し、里親同士の交流や里親家庭で育つ実子同士のネットワークを広げる活動に取り組んでいます。
里親について多くの人に理解してもらうための広報活動も
里親センターひこばえでは、商業施設やイベントなどでパネルの展示やパンフレットの配布などを行い、多くの人たちに里親制度について理解してもらうための広報活動を行っています。
- センター長の矢内陽子さんは「里親にならなくても、里親について理解してくれる人が増えれば里親家庭の子どもたちはその地域に馴染み暮らしやすくなると思っています。だからこそ重要な活動だと考えています」と話してくれました。
矢内センター長と石井担当責任者にインタビューしました!
矢内センター長と石井担当責任者のお二人に、「里親と里親制度とは」、「ひこばえの活動」について熱い思いを語っていただいたインタビュー動画をご用意したので是非ご覧ください。
取材後記
取材をさせていただくことで里親について学び、私の中での「里親」についてのイメージがガラッと変わり、里親にならなくとも理解をして受け入れることで、自分にも里親家庭の力になれることを実感しました!皆様もぜひこの機会に里親について知っていただきたいと思いました!