慣れない土地で新しく生活と仕事を始めるには、不安や心配がつきまといます。今回は、箱根町仙石原に移住して、ネイチャーツアーの個人事業を立ち上げた及川瞭さんにインタビューを行いました。
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いろいろな動機で箱根に移住する人がいますが、及川さんは箱根の自然に魅せられて、自らそれを伝えるツアーガイドの道を歩んでいます。新天地で何かに挑戦したい人には、多くのヒントがあるかもしれません!
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箱根にしかない自然の魅力?
箱根で育ったんですか?
いいえ、私は神奈川県の藤沢市出身です。家族旅行などで箱根にはよく来ていました。大学時代には、卒業研究で箱根の自然公園について研究したり、ビジターセンター(箱根町仙石原)でインターンシップをしたり、元々箱根との関わりは深かったんです。
気付いたら、虜になっていったんですね
大学卒業後は東京で働いていましたが、環境省の仕事で箱根地域での募集があり、ここで移住を決心しました。大好きな自然に囲まれ、富士箱根伊豆国立公園箱根地域内の環境保全に携わるようになりました。
生活環境は快適ですか?
正直、生活しやすいまちではないと思います。雨も霧も多いですし、とにかく湿度が高いです。なので、除湿器が必須です!それが植物にとってはいい環境なんですけどね。
あとは、お店が閉まるのが早いです…。
ただ、私は何度か箱根に足を運んでいたので特にギャップはありませんでした。
新天地で見えた新しい景色
ガイドを始めたきっかけは?
移住してから地元で活動するガイド(ハコネマウンテンリッパーの鈴木教仁さん)と知り合い、何度か一緒に仕事をする機会があったんです。そのときに、ガイドって楽しいなと、やりがいを感じました。自分も独立してガイド業を始めたいという思いが日に日に強くなっていったんです。
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地元ガイドの鈴木さんとは、今も一緒にツアーを企画する仲間
独立後は、どんなツアーをしていますか?
豊かな自然を守りたい
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「シカが木の皮をはいで食べた跡です」と食害について解説する及川さん
保護活動にも、ますます精力的ですね
これだけ豊かな自然環境があるので、それを守っていきたいという気持ちが強くあります。地元の方たちと一緒に、継続的に自然と関わるプロジェクトができないかと思い、仲間と「HAKONE Deer Action」というボランティア団体を立ち上げました。
箱根の植生を守るため、住民たちと一緒にシカ対策の柵の設置や、食害があった場所への植樹などを行っています。少しでも食害の問題について認識が広まり、地域全体で自然を守っていく流れができればと思っています。
移住先で、人と、地域とつながる
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ガイドや保護活動を通じて出会った仲間たち
新しい環境で戸惑ったりしませんでしたか?
私の場合は幸い、地元ガイドの鈴木さんやビジターセンターの職員、ボランテア活動の参加者など、多くの人とつながることができました。実は、地元の消防団にも入っているんですよ。違う仕事をしている人たちから、地元の情報や箱根の歴史、暮らしの知恵なんかを教えてもらっています。皆さんのおかげで、ガイドとして独立してやっていけているのだと思います。
移住を検討している人にアドバイスはありますか?
自然が美しいから移住するというだけではなく、やはり積極的に地域のことを知ることが大切です。地域の人とかかわらないと、箱根での暮らし方は分かりません。一概に除湿器を買うだけで乗り越えられるわけでもないので…。
- 「いきなり移住はハードルが高い」と感じる人向けに、箱根町はお試し居住プログラム「トライアルステイ」を提供しています。
※お試し居住の体験レポート(動画付き)は、以下の記事をご覧ください。
理想とのギャップを埋めることが大切ですね
私は都市部で生まれましたが、小さい頃から自然の中で遊ぶのが好きでした。今では箱根に移り住んで、自分のライフスタイルに合った生活を送っています。観光では分からない箱根の魅力を感じたい人は、私がツアーにお連れしますよ!