城下町、宿場町として栄えた小田原。その伝統を今に受け継ぐ「老舗」も小田原の魅力です。今回は、地元で愛され続ける店舗をご紹介。ここでは、鰻・鳥料理が楽しめる「小田原柏又」をレポートします。 ※掲載情報は2024年3月現在のものです。最新の情報は各店舗にてご確認ください。
歴史と文化の香りがただよう老舗の味
創業は明治3年(1870)とされていますが、江戸時代に始まったともいわれる小田原を代表する老舗鰻料理店のひとつ。屋号の「柏又」は、家紋の「三つ柏」と初代店主の兼本又次郎の名が由来と伝わっています。かつて花街としてにぎわった宮小路にあり、明治、大正、昭和の著名な実業家や文化人に愛されました。趣ある店内には、著名人が残した絵画や書が数多く飾られています。
- 5代目女将 兼本貴子さんと料理長 和田博さん。「昔からの味を守っています。ぜひご賞味ください」
2階の座敷の一室。貴重な書や絵画、陶磁器などを眺めながら、ゆったりと歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
1階食堂にも、貴重な絵画と書が飾ってあります。作者は左から岡本一平(芸術家・岡本太郎の父)、小野佐世男(漫画家・画家)、近衛文麿(元首相)。いずれも明治から昭和にかけて活躍した著名人です。
昔のお品書き。鰻蒲焼、鳥なべのほか、和食、洋食など品数豊富。「ビーフシチウ」「コロッケー」など時代を感じる表記も。