片倉城跡公園の二の丸広場にある藤棚で4月の半ば過ぎ、淡い紫色のフジの花が満開を迎え、公園を訪れる人の目を楽しませた。垂れ下がる花の房の周りには、甘い香りに誘われたクマバチも飛び交う。
室町時代の築城とされる片倉城の城跡を活用し、1972年から公園として利用されている同園。豊かな自然環境を有し、さまざまな動植物に出会える場所として親しまれている。99年には都の指定史跡になった。
ヤマブキソウも人気
この季節はフジのほかにも、群生地のあるヤマブキソウが明るく黄色い花を付けることから、自然観察で園内を巡る人も少なくない。20日に東久留米市から訪れた86歳の女性は「景色と野草を見ることが好きで、よく遊びに来ている。ちょうどフジの盛りに出会うことができてうれしい」と笑顔を浮かべた。
フジは盛りを過ぎたが、例年5月中旬以降には園内の菖蒲田でハナショウブやアヤメが見頃を迎える。