神奈川県は5月末、県西2市8町への移住を検討する人が利用できるサービス「西湘足柄移住コンシェルジュ」(以下、移住コンシェルジュ)を始めた。受託事業者の合同会社hibhi(ヒビ).(小田原市)が移住相談や現地案内などを行い、地域の魅力などを伝える。
移住コンシェルジュを担うのは、同社のコアゼユウスケさんと、内田あさみさん、奥津瑠里子さんの3人。移住先に何を求めるかをヒアリングをした後、相談者は地域をよく知る「まちの案内人」と一緒に希望に叶う場所を探して、現地を巡ることができる。
コアゼさんは小田原市内でゲストハウスを運営する傍ら、コロナ禍を機に2泊3日のお試し移住プランを企画。小田原市と連携して、4年間で108組を案内し、そのうち31組75人の小田原移住を後押ししてきた実績がある。コアゼさんは「地元に住む人が良いところも悪いところもフラットに伝えてきた。リアルな暮らしにたどり着けることが大事」と話す。
自治体と連携深める
県は2015年から、東京都千代田区有楽町の「ふるさと回帰支援センター」にブースを構え、移住に関する相談を受けてきた。23年度の相談数は1738件で、県西エリアには「田舎暮らしをしたい」「二拠点生活をしたい」などの希望で検討をする人がいるという。県西の各市町にも移住相談窓口はあるが、具体的な市町まで絞りきれている人は多くない。
移住コンシェルジュの魅力について内田さんは「市町の境なしに、見て回ることができる。人に合わせて案内プランをコーディネートしていく」とし、県の担当者は「市町との連携を深めながら、より細やかで、機動的な対応ができれば」と期待を寄せる。川崎市で生まれ15年に小田原に移住した奥津さんは「都心へのアクセスが良く、自然が豊かなちょうどよいエリア。忙しい日々を送っている人、ホッとしたい人にはぜひ」と利用を呼び掛けている。
移住コンシェルジュの詳細や相談の申し込みは特設ページから。「西湘足柄移住コンシェルジュ」で検索を。申し込みから移住相談、現地案内まで、無料で利用できる。