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【取材レポ】今すぐできる地震対策。横浜市の「防災ベッドってなに?展」で体験してみた。

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【取材レポ】今すぐできる地震対策。横浜市の「防災ベッドってなに?展」で体験してみた。

能登半島地震を受けて市民の防災意識が高まる中、横浜市主催の「防災ベッドってなに?展」が7月17日~20日に横浜駅東口新都市プラザ(そごう横浜店正面入口前)で開かれました。倒壊した家屋から身を守る地震対策として注目を集めている「防災ベッド」の展示をはじめ、減災対策のパネルや模型展示、ワークショップなども実施!イベント会場に潜入した記者が、当日の様子を詳しくご紹介します。

【目次】

◎防災ベッドって…なに?
◎減災対策ワークショップに参加
◎家具を配置変えるだけで地震に強い家に
◎今すぐできる地震対策とは
◎防災ベッド・耐震シェルターの購入には行政の補助も

防災ベッドって…なに?

「防災ベッド」とは、大きな地震が発生した際、住宅の倒壊から身を守り、安心して就寝できるようベッドにフレームなどを設置したものだそう。

会場に展示された「防災ベッド」(展示は一例)

今回の展示会に取材に行って、防災ベッドの実物を初めて見ました!頑丈なフレームで安心感があります。古い木造住宅に暮らす高齢者のほか、能登半島地震後は「田舎に暮らす実家の両親が心配」という子ども世帯からの相談が増えているとか。

畳式ベッドのおしゃれなデザインなので、小上がりとしてリビングに置いても良さそう

人と比較した高さはこの位。老若男女問わず多くの人が相談したり、写真を撮っていました。

ベッドとフレームが一体化されているものや、既存のベッドや介護ベッドの上に設置するフレームだけのものなど種類も様々。しかしそこそこ大きいものですし、実際家に置いたイメージが想像つきません。不安を払拭すべく、防災ベッドを扱う企業の方に話を聞いてみました。

「6畳もあれば広さは充分。寝室だけでなくこのように畳の部屋や居間に防災ベッドを置くお宅も多いですよ」

「設置に必要なスペースは2畳ほど。ベッドとして使うのはもちろん、地震があった時に逃げ込む小型シェルターとしても活用いただいています」とのこと。

夫婦で防災ベッドを2台置けない場合は、1台分のフレームを横にして2台並べたベッドの頭側だけに設置したり、夫婦のどちらかが防災ベッドで寝て地震があった時に逃げ込んだりと、お部屋の広さに合わせて色んなパターンで検討できそうです。

万が一家が倒壊しても安全な空間を確保することができる

大地震で倒壊した家を見るたびに「我が家は大丈夫…?」と心配になっていましたが、今住んでいる家全体の耐震リフォームや建て替えたりするのは、多額の費用がかかるため現実的ではありません。

その点防災ベッドは設置するだけなので、本体費用は40万円~。寝室など一部屋だけ耐震工事をする「耐震シェルター」はもう少し高くなりますが、命を守る値段と考えれば納得です。家の中に身を守れる場所が1カ所でもあると、いざという時に逃げ込めて安心ですよね。あとで紹介しますが、横浜市では購入補助もあるので利用しない手はありません。

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減災対策ワークショップに参加

ペーパークラフトで地震に強い家を作ってみよう

夏休み中ということもあって、子どもたちも多く参加していました。

工作しながら楽しく減災について学びます

試しに筋交いのない方の家を揺らしてみると、ぐわんぐわんと横に大きく揺れましたが、紙でも筋交いがある方は揺れが少なく、しっかり立っています。

家の強度を上げるため、筋交いをつける子どもたち

揺れに強い建物の構造を体験

ミニサイズの家の模型を使って、筋交いのあるなしで揺れに対する強度の差がどのくらいあるのか比較してみました。

筋交いが無い家は…

がしゃん!!!ちょっと揺らしただけで一瞬で崩れました。

一方、筋交い入りはびくともしません

体験した人は「筋交いのあるなしだけでこんなに強度が違うとは」と驚いていました。

1981(昭和56)年6月の建築基準法改正以降に建てられた建物には、筋交いを入れる量が強化されましたが、それ以前の古い木造住宅には筋交いがない可能性があるため、注意が必要です。

横浜市では、1981(昭和56)年5月以前に建てられた木造住宅を対象に(その他条件あり)無料で耐震診断士を派遣する制度を行っています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

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家具を配置変えするだけで地震に強い家に

模型を使って地震に強い家をシュミレーション

  • 阪神・淡路大震災では、犠牲者の約9割が住宅や家具の下敷きになったことによる圧死や窒息死でした。そして、次に多い死因は「焼死」。倒れた家具によりケガをしたり避難経路が塞がれ、避難できなかったことが原因です。古い木造住宅だけでなく、耐震性の高いマンションでも油断は禁物です。

家の模型を使ってタンスやテーブルなどの家具を配置します

万が一家具が倒れても、出入口がふさがれないように配置するのがポイント

寝ているところの近くに大きな家具があるとこんな危険が!

防災ベッドがあれば住宅の倒壊だけでなく家具の下敷きになることも防げます

耐震シェルターで寝室全体を安全な空間にしてもよいですね

さらに転倒防止の突っ張り棒やテレビの下に耐震シート、窓に飛散防止フィルムを貼るのも有効だそうです

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今すぐできる地震対策とは

会場スタッフとして活躍した「減災ラボ」のみなさんと工学院大学建築学部の学生

横浜を拠点に減災活動や防災教育などを行う団体「一般社団法人減災ラボ」の代表理事を務める鈴木光さんに、話を聞きました。 

「誰もが今すぐできる減災の取組として、私たちがおすすめしているのが、『片づけ』です。いざという時に避難経路がふさがれないように、まずは不要なものを減らしましょう。背丈以上の大きな家具もできるだけ撤去し、難しければ配置を考えたり、固定して棚の上にものを置かないなど、日頃から心がけてください」

安全な家にするための3つのポイントとコツ

  • 不要なものを減らして、整理・整頓する
  • 家具を固定する
  • 寝室やリビングなどを安全にする

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防災ベッド・耐震シェルターの購入には行政の補助も

横浜市では、防災ベッドと耐震シェルターの購入費用の一部を補助しています。

  • 対象は、1981(昭和56)年5月以前に建てられた2階建て以下の木造住宅に居住している市民
  • 防災ベッドは20万円まで、耐震シェルターは40万円までを補助

「お気軽にご相談ください」

「耐震改修が難しい方でも、防災ベッドや耐震シェルターを利用して命を守る方法があることを知って欲しい」と横浜市建築局建築防災課の担当職員。

制度の内容や補助対象となる防災ベッド・耐震シェルターについてなど、詳しくは下記HPまたは電話で気軽に相談をしてみてはいかがでしょうか。

https://www.city.yokohama.lg.jp/business/bunyabetsu/kenchiku/bosai/taishin/hojokinshienseido/mokutai/bed.html

【事前相談・申請先】は以下です

住所

神奈川県横浜市

問い合わせ

横浜市建築局建築防災課

電話

045-671-2930

045-671-2930

FAX:045-663-3255

平日午前8時45分から12時まで、午後1時から5時15分まで

公開日:2024-08-20

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