開設から60年以上が経過した横須賀市の都市公園「三笠公園」(稲岡町)の改修を巡り、市は12月12日、事業者として大和リース(大阪府)を代表法人とするグループを選定したと発表した。民間資本を活用し、整備や運営管理を行う「Park︱PFI」(公募設置管理制度)と指定管理者制度を組み合わせた事業で、横須賀の魅力を創造・発信する拠点として2026年度のリニューアルオープンを目指す。
同園は1961年に開設。世界三大記念艦「三笠」を保存・展示するほか、芝生広場や噴水池、野外ステージなどの施設があり、長年市民の憩いの場として親しまれてきた。
84年からは3年間かけ大規模改修を実施。市は地域を博物館に見立て、市内周遊を図る「よこすかルートミュージアム」の拠点に同園を位置づけており、新型コロナ禍以前の2019年には年間約190万人が訪れた。
だが、改修から30年以上を経て老朽化が進行。23年には公園のシンボルだった音楽噴水が老朽化で廃止に。そこで公園の活性化に向け、市は民間からイベントアイデアなどを募りながら活用方法を模索してきた。
市は民間活力の活用や財政負担の軽減などを念頭にPark︱PFIの手法による再整備を決定。8月に事業者を公募し、12月に大和リースと3社で構成するグループが選定された。
〝WA〟広がる場に
事業者が提案したコンセプトは「横須賀の魅力を創造・発信する拠点︱YOKOSUKA〝WA〟PARK 人がつながり、心をつなぎ、未来を創る・〝WA〟が広がる公園」。事業提案では公園を機能ごとにエントランス、中央広場、海辺景観、多目的交流の4つのゾーンに設定。音楽やアーバンスポーツなど、これまで横須賀を牽引してきた文化にまつわる年間100回以上の多種多様なイベントを通じて「横須賀ブランド」の創出と発信を図るという。市関係者や外部委員から成る選考委員会は、同グループの提案が多目的で柔軟な利活用ができることや、公園全体の連続性と回遊性の向上につながると評価。両者は今年度内に基本協定を締結する予定で、市は「横須賀中心市街地や三浦半島全域に波及する賑わいの創出を図るべく整備を進める」としている。