海老名市温故館(国分南)で現在、戦後80年に合わせた企画展「〜終戦から80年〜出征兵士の御守」が行われている。御守・手紙・千人針・日章旗など、個人から寄贈され市が収蔵する約90点の資料を展示。日常生活に戦争が深く影響していた、海老名市域の当時の様子を知ることができる。
同展は、今年が太平洋戦争終結から80年の節目となることに合わせ、海老名市教育委員会が主催し行われているもの。戦時下、海老名村と有馬村だった市域からの出征者は約1350人。戦没者は約460人に上り、特攻隊として戦死した人やニューギニアやビルマ(現ミャンマー)で病死した人などがいた記録も残されている。
期間中、展示されているのは、出征者が所有していた「武運長久」と書かれた御守や千人針、寄せ書きされた日章旗のほか、戦地から届いた手紙など。当時、弥生神社(国分北)の参道近くにあった「海老名国分駅」での出征の様子を記録した写真なども見ることができる。
終戦の日の8月15日には、同館職員で海老名市文化財保護審議会委員を務める片山兵衛さんが、展示品の解説を実施。午前・午後合わせ36人が参加した。片山さんは「従軍経験者が少なくなる中、当時を知るためのこのような手掛かりが残されていることで、私たちは追体験をすることができる。現物を目にすることで若い人たちにも関心を持ってもらう機会になれば」と思いを話す。
展示解説に参加した市内の親子連れは「普段から歴史や戦争関連の企画には足を運んでいる。学校の授業でも、もう少し詳しく近代史を扱ってもらいたい」と話した。
同展の開催期間は10月5日(日)まで。入館無料。展示解説は9月13(土)(午前10時半、午後2時)にも実施される。問い合わせは、海老名市温故館(国分南1の6の36)【電話】046・233・4028へ。