小田原高校南館3階の中等教育史料館(小田原市城山)で、企画展「大型剥製標本と鉱物標本」が開催されている。
同校には剥製標本や液浸標本、植物標本など、統合した小田原城内高校の所蔵品を合わせて約2500点の生物標本がある。絶滅種やワシントン条約により国際取引が禁止されている希少種なども多く、近代中等教育の歴史的教材として活用されてきた。
企画展では、普段は収蔵庫に保存されている全長3mほどのタカアシガニや国の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカ、ボルネオで採集されたオランウータンの大型剥製標本を紹介。タカアシガニの標本は、同校卒業生の柏木晴光さんが1933年に寄贈したもの。鋳物師として活動しつつ相模湾のカニの研究にも熱心に取り組んだ柏木さんが、網代沖で網にかかったタカアシガニを漁師から譲り受けて自ら剥製にしたという。
剥製標本と合わせ、旧制小田原高等女学校が使用していたと考えられる鉱物標本も展示されている。
展示期間は来年4月まで。午前9時から午後3時。入館無料で事前予約制。問い合わせは同校同窓会【電話】0465・20・3281。