夜間中学がつくられた背景や実践されている教育を知ってもらおうと、ドキュメンタリー映画「こんばんはII」が9月20日(土)、松田町生涯学習センターで開催される。
夜間中学とは、夕方以降の時間帯に授業を行う公立中学校の夜間学級だ。「不登校などで通学できなかった」「戦後の混乱期に義務教育を修了できなかった」「外国籍で母国で義務教育を修了せずに日本で生活を始めた」など、多様な背景を持つ人が学んでいる。
上映会を企画したのは2022年4月に開校した相模原市立大野南中学校分校・夜間中学を設立する要望を行った「相模原の夜間中学校を考える会」(吉田恵一代表)。同会は他の地域でも設置を普及する活動を行う。
定年まで教員を務めていた吉田代表によると、県西及び周辺地区(小田原市、秦野市、伊勢原市、足柄上・下郡、中郡)の義務教育未修了者は、約0・7%と県平均約0・5%より高い水準にある(2020年国勢調査)。さらに、相模原市の夜間中学校に小田原市内から通う学生もおり、「夜間中学校の存在を県西地区の人にも多く知って欲しいと思い企画した」と話す。
上映会は午後1時半から4時45分。入場無料。上映後には吉田さんが『夜間中学とは〜夜間中学の現状と課題』について話し、意見交換を行う予定。定員は42人。
「県西の需要高い」
夜間中学がない地域では、ボランティアが中心となり自主夜間中学で学習をサポート。県内では公民館など、5カ所で学習支援が行われている。
そうした中、全国には41都道府県に62校の公立夜間中学校があり、文部科学省は全県と政令市への設置を促進している。
県内には横浜と川崎、相模原の3政令市に夜間中学校がある。吉田代表は「全国では10代〜90代まで幅広い世代の人が夜間中学校に通っています。県西地区での夜間中学校の需要は高く、今回の上映会が設置のきっかけになれば」と話した。