秦野市堀西在住の絵本作家・舘野鴻（たての　ひろし）さん（50）の新作『はっぱのうえに』が３月１日（金）、福音館書店の月刊絵本「ちいさなかがくのとも」の４月号として発売される。緻密な水彩画で昆虫の生き様をリアルに描き止めてきたこれまでの硬派な作風とは一線を画す”新境地”として注目の一冊だ。まぶしいほどに柔らかく穏やかな色鉛筆画で描かれるのは、春の草むらで見つけた”不思議なもの”から始まる物語だ。定価４４０円税込。

これまでは、あまり知られていない地味な虫に光を当て、ドラマティックな生き様を美しく描き止めることで命の尊さを伝えてきた舘野さんだが、「逆差別なのでは」と自問する事もあったという。そんな時、編集者に「みんながよく知っている虫は描かないのですか？」と尋ねられたことをきっかけに、今作では誰もが見たことのある”テントウムシ”を題材にした。

「ちいさなかがくのとも」の対象年齢３〜５歳に合わせ、生きる・死ぬというドラマではなく、身近な発見の輝きを大切に、物語が綴られている。「見慣れた虫にも尊い過去があり、驚くべき発見があります」と舘野さんは語る。

図書館で講演

舘野鴻さん

秦野市立図書館視聴覚室で３月２日（土）、講演会「お待たせしました 舘野鴻ワールドへようこそ！〜虫たちから学ぶ”いのち”とは〜」を開催。午後１時半から３時（１時開場）。申し込み先着80人。小学生以上。未就学児の保育有（要予約）。無料。

舘野さんの講演は軽快かつユーモアたっぷりに語られる製作の裏話や、命の真理に迫る心の葛藤も赤裸々に語られ、全国各地で好評。申し込み・問い合わせは同館【電話】０４６３・８１・７０１２へ。