大正・昭和を駆け抜けた夭折の作家・牧野信一は、 幻想的な作風の一連の小説群を発表し、文壇に独自の境地を拓きました。
初期の『爪』が島崎藤村に激賞され、以後、『父を売る子』、『「悪」の同意語』など、父や母をテーマにしたセンセーショナルな内容の作品群で文壇に登場しました。
昭和初年以降は、郷里小田原の土地や人をモチーフにした『吊籠と月光と』、『ゼーロン』などの明朗で異国的な作風の一連の作品群を発表し、その独自の境地をして「ギリシャ牧野」と称されます。父母をテーマにした「私小説」から郷土をモチーフにした「幻想小説」へ。ダイナミックともいえる転回に一貫性を見出すとしたら、そこには「わたし」とわたしを取り巻く「身近なるもの」への絶え間ない関心という、現代的かつ普遍的なテーマが浮かび上がってきます。
生誕120年、没後80年を迎える本年、牧野文学の源泉となった小田原で、牧野信一の心の風景を眺めてみませんか。12月4日(日)まで小田原文学館で開催中。
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開催日
2016年10月15日(土)~2016年12月4日(日)
09:00 〜 17:00
費用
250円
大人250円・小中学生100円
(団体/障害者手帳をお持ちの方割引有)
問い合わせ
小田原市立図書館
ホームページ
公開日:2016-10-11