金沢八景の瀬戸神社の入口付近に植えられた「黒姫」が咲き、ヤマアジサイの季節が到来した。境内には同神社の佐野玲子さんが丹精こめて育てた111種111株のヤマアジサイが咲く。昨年の台風で被害をうけたが、「これだけ咲いたのはけなげ」と愛おしそうに花を見つめる。
東日本大震災に胸を痛め、花枝を支柱に使い両手を合わせたぼんぼり形の「仕立てアジサイ」を作るように。「震災で天に召された御霊に祈りが届くように」との思いで栽培してきた。ヤマアジサイは高所でも花を咲かせることから「天に最も近い花」と言われる。佐野さんは「思いを感じながら原種の色・形を味わってほしい。そして花に込めた祈りを皆さんと共有できれば」と話す。見ごろは6月上旬まで。今は白い花弁の「乙姫」は6月下旬に深紅に染まる。