色とりどりのステンドグラスがきらめく一室で、黙々とガラスに向き合う「職人」たち―。県央福祉会(佐瀬睦夫理事長)の障害分野多機能型施設「福祉創造スクウェア・すぷら」(上和田)には全国でも珍しいステンドグラス工房があり、身体障害や知的障害を持つ利用者が創作活動を行っている。
相模原を拠点に活動するステンドグラス作家の小島昌子さんを講師に迎え3年前に始まった取り組み。施設職員の家族が小島さんの教室に通っていたことから、ボランティアで講師を依頼し実現した。工房は食堂を改装して施設入口に設けられ、利用者以外の近隣住民も受け入れている。
ステンドグラスの工程は大きく4つ。【1】ガラスをカット、【2】表面を機械で削る、【3】銅素材のテープを巻く、【4】はんだ付け。小さいガラスを隙間なく組み合わせていくため、いずれも細かい作業。また、ガラスの色選びなど芸術的なセンスも必要となる。
器用で上達早い
「ただでさえ、ガラスを扱うことは危険。細かい作業ができるのかどうか、最初は不安だった」と小島さんは振り返る。しかし利用者の集中力は高く、作業は想像以上に器用で丁寧だった。上達も早く、今では大型のスタンドを制作する利用者もいる。小島さんは「各々が自らデザインを選び、色合いを考えて制作している。成長を見られるのが何よりの楽しみ」と目を細めた。
作品が購入されると工賃として利用者の収入になることがモチベーションになっている。「すぷら」の成澤一之施設長は「ぜひ多くの人に興味を持って手に取ってもらいたい」と話した。
シリウスで展示会
シリウス1階ギャラリーで12月17日(火)から20日(金)まで開催される県央福祉会主催の「輝いている神奈川のアールブリュット展」では、工房で制作された大小さまざまなステンドグラスが展示される。午前10時から午後5時(最終日1時)まで。入場無料。
また「すぷら」でも常設展示している。(問)【電話】046・204・6470