直売所開設で6次産業化ー生産から小売りまでー
「葉山牛」を生産している石井牧場の石井裕一さんが5月26日、上山口に直売所をオープンした。自ら育てた牛肉や野菜、それらを使った加工品などを販売。生産から小売りまでを行う6次産業化で新たな付加価値を生み出し、葉山産品の魅力を発信する。
「葉山マルシェ」(葉山町上山口954の1)は畑が広がる山あい、石井牧場の牛舎を眺められる場所に完成した。
「葉山石井牛」のほか採れたて野菜や総菜なども
マルシェでは、葉山牛や石井牧場のオリジナルブランド「葉山石井牛」が並ぶ精肉コーナーのほか、牧場で出た牛糞を使ったたい肥で作られた新鮮な野菜やそれらを使った加工品、弁当、総菜などを販売。持ち帰りだけでなく、店舗の軒先や2階のテラスで食事を楽しむことができる。
石井さんは今後、牧場の見学会や野菜の収穫などを通じた食育イベントも実施していきたい考え。「ここでしか買えない、味わえない物と体験を提供していきたい。まずは地域の皆さんにご利用いただければ」と話している。
葉山産食材の魅力発信
石井牧場は裕一さんで2代目。農家としてはわかっている範囲で9代目で、これまで様々な取り組みを行ってきた。厳しい衛生管理基準を満たし、2017年に神奈川県内の肉用牛牧場で初めて農場HACCP認証を取得。鼻輪をつけないなど安心安全で牛に優しい飼育環境を整えており、現在は約70頭を飼育している。
食品の製造過程で出るおからやビールかす、砕米などを使った飼料「エコフィード」を与えており、葉山牛の特徴である上質な脂を生み出している。
また、現在はオリジナルブランド「葉山石井牛」の飼育にも力を入れている。和牛とホルスタインの交雑種を、葉山牛と同じ環境と餌で飼育することで、葉山牛より安価で肉本来の美味しさを味わえるという。
石井さんは「新型コロナの影響で当初よりオープン時期がずれ込んだが、ようやく一区切りついた。葉山の里山の風景を楽しむこともできるここから、葉山産食材の魅力を発信していきたい」と意気込んでいる。