10月3日、八王子駅北口の西放射線ユーロード近くに、施設「まち・なか」(中町12の11の1)がオープンする。駅周辺に歩行者を増やし、街の賑わいを作ることが目的。建物1階が「まちなか休憩所八王子宿(しゅく)」で、2階が「まち・なかギャラリーホール」となっている。
トイレも
八王子宿はひと休みができる無料の休憩所。休憩スペース、授乳・おむつ替えスペース(赤ちゃん・ふらっと)、男女トイレ、だれでもトイレ、パウダールーム、物販スペース等が設置されている。名称は、かつて甲州街道沿いで栄えた「宿」(宿場)から付けられた。
八王子市が2018年から進める中心市街地活性化基本計画における「中町休憩施設整備事業」。一般財団法人八王子市まちづくり公社が建築した建物の1階一部を市が賃貸し、供用する。開館時間は午前10時から午後7時。
ギャラリーホールは展示、鑑賞、セミナー・講習などで活用できる「シェア空間」。同公社が運営する。多様な用途に対応できる空間を提供することで、中心市街地の回遊性向上を図るとともに、芸術・文化の発信やコミュニティの形成に貢献することを目的とする。開館時間は午前10時から午後8時。
花街の雰囲気
施設の周辺は多摩地域唯一の「花街」。その雰囲気を演出するよう建物は周囲にあわせ黒塗りの壁となっている。入口に立てかけられた幟旗は、八王子織物工業組合に依頼して作られた。藍色の布地には、15の宿場の名前が織り込まれている。
ユーロードではこれまで、季節ごとに様々なイベントが開催されてきたが、利用者から「滞在するスペースがない」「お手洗いがない」などの声が寄せられていた。また、夜間は比較的賑わいを見せるものの、昼間の人通りが少ないとされていた。両施設はこれらの課題の解決が期待される。開所にあわせイベントを実施する地元商店会では休憩所について「ユーロードは長い距離(およそ500m)があるにも関わらず休む場所がなかったため、喜ばしい」と話した。
中心市街地活性化基本計画は18年3月に国から認定を受けた。エリアはJR八王子駅を中心としたおよそ115ヘクタール。新規出店数、小売業年間商品販売額の増加を図るため約80の事業を計画しており、今回の休憩所新設、また今年4月の「マルベリーブリッジ延伸」もその一環。