寒さがやわらぎ、穏やかな日が続くこれからの季節はウォーキングに最適。横浜市金沢区の京急富岡駅から足をのばして、歴史あるお寺や公園を散策してみました。新しい発見が生まれるかも?
孫文上陸の地? 慶珊寺
京急富岡駅から富岡八幡宮を横目にみながら北上すること徒歩14分。富岡の領主であった豊島明重が父母の菩提を弔うために建立したという慶珊寺があります。
門前に向かって右側に、岸信介元首相が揮毫した「孫文上陸記念碑」が建てられています。
- 近代中国建国の最大の功労者とされる孫文は、1913年に横浜沖から小舟で富岡海岸に上陸しました。上陸地点は不明ですが、松方正義の三男・幸次郎が神戸で孫文をかくまっていたことから松方別荘の船着き場とする説や地形からみてマキ河岸(富岡八幡宮の西南)が最適地だとする説などがあるようです。
またヘボン式ローマ字で知られるヘボン博士は富岡を訪れた際は、慶珊寺に泊まっていたといいます。慶珊寺の元住職・佐伯隆定さんは、平成25年に富岡の歴史をまとめた「武州富岡史話」を著しているので、もっと詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみて。
慶珊寺/金沢区富岡東4の1の8(京急富岡駅徒歩14分)
病苦から人々を守る 芋観音@長昌寺
慶珊寺からさらに北へ向かって歩くと、芋観音で有名な長昌寺があります。この観音様には謂れがあります。
- その昔、鳥見塚にあった芋の葉が青々と茂る小さな池に観音様が現れ、この池の水を飲むと天然痘も軽くすんだことから芋観音と称され、この地にお堂が建立されました。
約90年前に横浜海軍航空隊の開設に伴い長昌寺に移されましたが、江戸時代から続く芋観音御開帳日(3月上旬の日曜日)にはご利益を求め多くの人が訪れます。この御開帳日に参拝すれば、一年間参拝したのと同じご利益があるとされています。感染症が流行っている昨今、ぜひお参りしたい観音様です。
また長昌寺には小説家・直木三十五の墓があることから、毎年「南国忌」という供養法要も行われています。
境内には名木古木指定されたビャクシンの木もあります。
長昌寺/金沢区富岡東3の23の21(京急富岡駅徒歩15分)
桜並木が続く 富岡総合公園
長昌寺から国道16号に出て、さらに北に歩くと鳥見塚の交差点につきます。その東側には桜の名所、富岡総合公園があります。
かつて日本海軍の基地「横浜海軍航空隊」があり、その隊門跡は今も残っています。
戦後は米軍に接収され富岡倉庫地区と呼ばれていました。
道沿いには桜並木が続き、お花見の時期になると屋台も出て多くの人で賑わいを見せます。
また、梅や牡丹など四季折々の花が植えられており、地元住民の散歩コースにもなっています。アーチェリー場やテニスコート、運動広場などいろいろ施設があります。
富岡総合公園/京急富岡駅から徒歩20分程度、また京急富岡駅から京急バス4系統(磯子駅行き)で「鳥見塚」下車すぐ