遠く離れた土地で暮らす親の老後…。兄弟ともに実家から離れ、戻る気もないという人も多いのでは? かくいう地域新聞の記者である筆者もそうしたうちの一人。そこで横浜市戸塚区で開業20年を迎え、税理士などの他の士業との連携も密に行っているという「司法書士法人あいおい総合事務所」さんに、親の老後について相談してきました。
弁護士・税理士・司法書士など11の士業グループ「LTR」や地元業者15社によるくらし・すまいの安心サポートセンター「オーケストライフ」を主宰している、あいおい総合事務所さん。「くらし安心まるごと相談窓口」として、人生のさまざまなライフイベントで生じる悩みや問題をオールマイティに対応してくれます。
「お金」「介護」「相続」など、それぞれの分野でのスペシャリストはいても、くらし・住まいをトータルでサポートできる専門機関は少ない中、あいおいさんなら、各分野の専門家と連携しワンストップで相談、スムーズな問題解決につなげてもらえます。じっくり話を聞いてきました。<更新日/2024年5月20日>
【目次】
●そもそも司法書士ってなにしている人?
●アクセスはJR戸塚駅西口徒歩7分
●「くらし安心まるごと相談窓口」って?
●「親の相続や介護が心配」→司法書士の回答は
●成年後見制度とは?
●戸塚区・泉区・栄区は初回相談30分無料
そもそも司法書士ってなにしている人?
ところでみなさん、「司法書士」を聞いて何を思い浮かべますか? 「マンションを買ったときの専門家」「弁護士みたいな存在」「正直なにをしているのかわからない」そんな声が聞こえてくるようです。
私も取材してはじめて知ったので、ご存じでない方もいらっしゃるかもしれませんが、実は司法書士さんって、私たちのくらしの中で起こる様々な悩みを解決してくれる心強い「私たちに身近なくらしや住まいの法律家」なんです。
登記に会社設立、相続対策、遺言書、老後の設計などなんでもござれ
例えば、マイホームを購入したときの売買や相続、贈与などの相談にのってくれたり、また名義変更をしてくれます。また会社については設立からはじまり、商号・目的・役員変更、解散に至るまでの相談にのってくれたり、その登記手続きをしてくれます。
それ以外にも相続の対策や遺産分割、銀行・証券会社の相続にともなう各種手続き、遺言書の作成、共有や2世帯住宅・空き家に関すること、成年後見制度、家族信託、老後の生活設計、お金の貸し借りの悩み、会社の経営に関すること等々、私たちに身近なくらしや住まいのいろいろな相談ができる頼もしい存在です。
人生の「こんな事・あんな事」まるごと相談できる
今回紹介する横浜市戸塚区戸塚町にある「司法書士法人あいおい総合事務所」さんは、2001年設立の司法書士の事務所。法人というのが特徴で、2名の司法書士が在籍します。地域密着を掲げ、戸塚区・泉区・栄区の3区を中心にサービスを展開しており、さらには税理士・不動産鑑定士・弁護士・土地家屋調査など、ほかの士業とも連携してあらゆる悩みにワンストップで応えています。
年間相談実績はなんと800件! なにより老後生活に欠かせない「福祉」についての知識も豊富とあって、今回私が聞きたい「親の老後、どうする?」にもビビッとズバッと応えてくれるのではないかと期待が高まります。
アクセスはJR戸塚駅西口徒歩7分
戸塚小学校前の通りを歩くとすぐに見つかります
さて、そんな基本的な情報をお伝えしたうえで、いざ事務所のほうへ。アクセスはJR戸塚駅西口から徒歩7分。トツカーナ地下1階の方向に進み、バスロータリーの下を通ると旭町通りが見えてきます。その道を歩いていくと、右手にあいおい総合事務所さんの看板が見つかります。
旧戸塚区役所(現在は地域交流施設ONE FOR ALL横浜)向かいのビル2階!
「くらし安心まるごと相談窓口」って?
お邪魔してみると、明るい雰囲気の受付が。声をかけるとあいおい総合事務所代表の清水敏博さんが出てきてくれました。
「LTR」と「オーケストライフ」を主宰するなどネットワークに自信
清水さんは2001年に「司法書士法人あいおい総合事務所」を設立、それに合わせて他士業と連携した「一般社団法人LTRコンサルティングパートナーズ」を発足させたそうです。
また、2018年、法律に限らず、すまい・くらしのあらゆるニーズに応える相談窓口「オーケストライフ」(2020年に一般社団法人化)を地元の業者とともに立ち上げるなど、ネットワークづくりに力をいれています。
他士業、異業種とのネットワークのきっかけは、司法書士1人では、また一事務所の力だけではお客様に対して質の高いサービスを提供することができないという想いから。
行政などと連携した地域貢献に積極的
地域貢献にも積極的で、戸塚区、泉区、栄区を中心に主に製造業などの企業が104社集まる「戸塚泉栄工業会」の理事、そして、地域の活性化・魅力創出につなげる「未来づくりプロジェクト」の委員長として、行政や社会福祉協議会、地域のNPOと連携し様々な活動を行っています。
「本当の意味で地域のために動いている人」なんだと記者目線でも感じています。
漠然とした悩みでOK 専門家の紹介もスムーズ
そもそも「くらし安心まるごと相談窓口」とはなにか。それを尋ねると、「あらゆる悩みをワンストップで解決するもの」という回答が。とくに以下のような悩みにぴったりなんだとか。
- どこに相談していいかわからない、
- かかりつけ医のように相談にのってもらえる法律家に出会いたい
- 将来起こり得るトラブルを予防したい
- 信頼できる弁護士・税理士・不動産鑑定士などの専門家を紹介してほしい
- 地元の信頼できる業者を紹介してほしい
- 専門家だけが知っている有益な情報やノウハウが知りたい
「くらし全般の悩みに応えたい」がきっかけ
清水さんは「じつは司法書士などの士業にはそれぞれ専門分野があって、できることが限られているんです」と話します。しかしそうなると相談された内容に対して全体の数パーセントだけにしか対応できません。それでも清水さんは「生活上の悩みや問題を広くカバーできる、くらし全般の悩みに応えたかった」と考え、視野を広げました。つまり、司法書士以外の専門家とタッグを組むことで、複数の問題が相互に絡み合った複雑な問題を解決に導こうとしたのです。
老後問題・介護問題など福祉分野にも精通
一般的に、弁護士、司法書士等は財産や法律分野に関しては詳しいけれど、介護・福祉分野については明るくない人もまだまだ多いそうです。
そのような中で、清水さんは老後問題・介護問題などの福祉の領域についてもしっかりと応えてくれるめずらしい司法書士なんです。
数多く寄せられる「老後の悩み」に応え続けるだけではなく、2000年の成年後見制度の開始当初から成年後見人等として高齢の方や障がいをお持ちの方の生活サポートに携わり、豊富な知識と経験を蓄積してきたそうです。
また、当事者や家族だけではなく、ケアマネジャー、往診医、区役所の担当の方からも相談が寄せられることも多いそうです。
同じものがない、多岐にわたる相談に対応
相続、遺言、借金、消費者被害、金銭トラブル、老後のお金や生活設計、おひとり暮らしの方の葬儀・納骨、墓じまいの問題など、医療や福祉の専門家が解決できない多岐にわたる相談があり、同じ悩みでも家族関係や経済状況など、相談者のおかれている状況によって代わり、どれひとつとして同じものはないといいます。
そのような多種多様な問題を解決するためには、杓子定規に法律論に照らすのではなく、解決の糸口となるキーパーソンを誰にしたら円満に解決できるか、人間関係を調整することが求められるそうです。
その時に、清水さんの糧となっているのは、地域活動をはじめ、老若男女問わず様々な相談を承っていることで培った観察力や心の機微を察する力だそうです。
「親の相続や介護が心配」→司法書士の回答は
「遠く離れた親の相続や介護が心配。どうすればいいでしょうか」
やわらかい語り口の清水さんに、筆者の疑問をぶつけてみました。
すると清水さんから「親御さんにこの先より良い人生を送ってもらうためには、法律的な問題さえ解決できればそれでよいというものではなく、親御さんの生活環境や気持ちに配慮しつつ、ご家族の考えも汲み取ったうえで、何がご家族にとって一番良いかを総合的に判断していくことが大切だと思っています。
そうは言っても、ご家族の問題というのは複雑な悩みが多いので、なかなかご家族だけで判断するのは難しいと思います。まずは気軽にご相談していただくのがよろしいかと思います」とのお答えが。
「万が一に備える」ことの大切さ実感
また、親が仮に認知症になった場合など、「万が一に備える」ことの大切さも教えてくれました。新型コロナウイルスや自然災害、さらに病気や事故など、予期せぬ出来事が避けられない現代。もし親の身に何かがあったら…。また、逆に親御さん自身もそう考えているかもしれません。
「予期せぬ事態というのはなかなか避けることはできませんが、万が一に備えておくことで、日々のくらしに安心感や心のゆとりが生まれます。また、何かあったときにも、あたふたせずに適切な行動をとることができるのでリスクを軽減できます。病気や交通事故、自然災害に備えるために保険に入るように、くらし全体を見渡して万が一に備えておくことは、これからの時代にはとても重要なのではないでしょうか」。
意識不明の状態では入院費や介護費用の立て替えケースも
清水さんは「もし、親御さんが病気や事故など突然の事態に襲われ意識不明の状態になってしまうと、家族はどのようなサポートをしてよいか分からないですし、また入院費や介護費用などの支払いができずに家族が立替えをしなければならないというケースも実際に起こっています。
そういったことにならないためにも、親御さんが元気なうちに家族でしっかり話し合い、準備をしておくことがとても大切です。
成年後見など制度によるサポートもありますが、厳格かつ、ある程度、画一的に運用しないといけないなど制度を利用することの限界もあります。
ですから、まだ親御さんは元気なうちだからこそ、まずは小さなことであっても家族でどんな準備や備えができるのか話し合った上で、できないことを補完するために制度の利用を検討するとよいですよ。
夏休みや年末年始などで帰省したときに上手に話しを切り出してみると良いと思います。きっと親御さんも安心なされると思いますよ」と話してくれました。
成年後見制度とは?
親の面倒をみたくても仕事や子育てでなかなか余力がない子世代、高齢者同士の老々介護、介護を担うことで学業に支障をきたしているヤングケアラー、そして子どもや頼れる親族がいないおひとり様の問題など、悩み深い老後問題。そうした中で、家族や親族で対応しきれない問題を解決する具体的な方法はあるのでしょうか。
「ひとつご紹介できるのは、“成年後見制度”というものです。後見人はより良いくらしを支えてくれるサポーターのことです」と清水さん。
成年後見制度は、契約によって元気なうちから利用できる「任意後見」と、認知症など判断能力が低下した人に対して家庭裁判所が選任する「法定後見」の2種類があるといいます。
元気なうちから本人が希望するものを決めておく「任意後見」
「任意後見」は、元気なうちにあらかじめ本人がしてほしいことを決めておくものだそうです。
「判断能力が低下した場合でもご自身が希望する生活を送ることができるのが最大のメリットです」。 今後に備えて見守り契約や財産管理契約など、希望に応じて手伝ってほしいことを同時に契約し、すぐに利用することが可能だといいます。
「15年以上アドバイザー的立場で携わっていた、区役所主宰の成年後見サポートネット会議のケース検討を通じてノウハウを蓄積してきました。福祉関係者と顔の見える関係を築いてきましたので、法律だけでは解決できないくらしの問題をチームで対応できるようにしています」と清水さん。
判断できなくなったときに家庭裁判所から選ばれた人が権利や財産を守る「法定後見」
一方、「法定後見」は判断能力が不十分な人に代わり、家庭裁判所から選ばれた援助者(成年後見人等)が法律行為を行うことで、ご本人の権利や財産を守る仕組みのことだそうです。
具体的には以下のようなことができます。
- 預貯金の出し入れなど日常の財産管理
- 福祉サービスなどの契約
- 高齢者施設への入所手続
- 不動産の売買
- 遺産分割協議
「ご家族だけで抱え込みがちな介護、おひとり様にとっては不安が多い老後の生活も前もって準備をしたり、公的な制度をうまく利用することで、負担を軽減することができます。
ご自身の生活をより実りのあるものにするために、万が一のときに家族に迷惑がかからないように、お元気なうちから少しずつ、これからの生活に向けて準備をしていくことをお勧めします。少しでもご不安なことがあったら、お気軽に相談してくださいね」と清水さんはやさしく微笑みました。
戸塚区・泉区・栄区は初回相談30分無料
司法書士法人あいおい総合事務所さんの相談は、戸塚区・泉区・栄区在住の方に限って初回30分無料だそうです。
- 1.まずはお電話を! 一般的なものなら即答してくれます
- 2.電話口で「どの専門家が対応するのか」を清水さんが判断してくれます
- 3.電話だけでは難しい場合は、より具体的な話を。来所か出張、Zoomから選択を
- 4.司法書士のことであればそのまま手続きに
- 5.それ以外の案件であれば専門家を紹介してくれます
「くらしの健康診断ホームページ」を2024年3月に新規開設
漠然とした悩みでも、まるでかかりつけ医のように利用できるのがあいおい総合事務所さんの「くらし安心まるごと相談窓口」。
窓口に寄せられる様々な悩みの中で、特に問い合わせの多い「老後のお悩み」に特化した新たなホームページを作られたそうです。下のボタンからアクセスできます。
淡い色をベースに優しいかんじのホームページには役に立つ情報が満載です。
簡単なYes・No の質問に答えることで必要な解決策が表示される「くらし・住まいのトラブルリスクチェック」をやってみると、老後のトラブルリスクが自己診断できます。
老後に陥りがちなトラブルを「人間関係」「終活」「お金」「不動産」の4つに分類。解決策となるサービスは「よくある相談事例」をもとにまとめられています。
今回のサイト開設のように、対面に限らない〝窓口〟を用意したのは「プライベートな問題をいきなり人に話すのはハードルが高い」「悩みがありすぎて漠然としている」など、相談する以前に立ち止まってしまう人を助けたいというあいおい総合事務所さんの思いから。「そんな人にこそ、気軽に利用してほしい」と、誰にでも操作しやすい画面と具体的な対策の両方を兼ね備えています。
スマホやパソコンで気軽に情報が手に入る時代や、常に変化し続ける相談者のニーズにあわせながら、「今後も法律問題以外のお悩みにもチームで対応します。みなさまの住まいとくらしを支えていければ。ぜひお気軽にご相談ください」と清水さんは話してくれました。
【取材後記】地域貢献を積極的に行っている「司法書士法人あいおい総合事務所」さん。社会福祉協議会といった公的なサービス機関との連携も多く、筆者も地域新聞の取材でよくお話を伺っていましたが、今回改めてユニークな部分を知ることができました。あらゆる悩みにワンストップで相談に乗ってくれる窓口ですが、20年前からしっかりと対応してきたからこそ「この問題はどの専門家に任せればいいか」がわかるんですね。万が一に備えてしっかり考えていかないとなあと感じた取材でした。<筆者/地域新聞記者・宮﨑>
外部HPリンク
・司法書士法人あいおい総合事務所HP(外部リンク)
・一般社団法人LTRコンサルティングパートナーズ(外部リンク)
・一般社団法人オーケストライフ(外部リンク)
・くらしの健康診断(外部リンク)