2020年11月で創業30周年を節目を迎えた、横浜にある「戸塚駅」西口駅前に本店を置く『仁天堂薬局』。調剤・漢方相談のほか、現在約100人の方の投薬による在宅医療支援も担っています。薬剤師で代表取締役を務める湯川仁さんに患者さんへの思い、「かかりつけ薬局」の役割などをお聞きしました。
「陰陽五行論」を基にオリジナル漢方
『仁天堂薬局』はもともとは漢方薬局としてスタート。「陰陽五行論」を基に漢方を調剤します。あらゆる物を「陰陽」と「五行」に分類する考え方で、漢方では人体の「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の五臓(六腑)に対比。「ご相談者のお話をお聞きしながら、陰陽五行論を基に、どの臓器が弱っているか相対関係を探り、その方に適したオリジナルな漢方薬を調剤します」と湯川代表。
- 漢方は「冷え症」「体がだるい」「不安感でうまく眠れない」といった何となく身心が優れない「不定愁訴」に特に適していると言われています。「漢方薬は穏やかな効き目であると同時に、あらゆる症状に対応できるものです」と湯川代表は説明します。
在宅訪問医療で終末期医療に貢献
もう一方で力を入れているのが在宅訪問医療です。現在約100人の患者さんのご自宅を訪問。認知症の方の薬の管理、がん患者の方の疼痛コントロールを目的とした持続皮下注射(薬局内に注射剤を調合する無菌設備を設置)など、様々な症状と向き合っている方々をサポートしています。
- ご本人、ご家族から寄せられる「病院から家に帰りたい」という切実な声に応えるため、仁天堂薬局では医療機関、ケアマネージャーさんなどと連携しながら、自宅を病院と同程度の医療行為ができる環境に可能な限り整えています。さらに2021年3月中に横浜市戸塚区戸塚町に「在宅支援センター」をオープンさせます。
コロナ禍での郵送などによる投薬
コロナ禍での投薬支援も充実。オンライン・電話診療が可能な現状を受け、慢性疾患の方などを対象に医療機関から薬処方箋が出された後、電話で状態などを確認し、ご自宅へのお届けや郵送もしています(有料)。
1つひとつのご相談に豊富な知識を持つ薬剤師が対応する同薬局。湯川代表は「何でもご相談ができる健康サポート薬局に厚労省から認定されています。地域密着型の『かかりつけ薬局』を目指していきます」と語ります。