相模原市立谷口台小学校(西山俊彦校長)4年1組の児童が、地元の店舗や農業者らと協力して甘味商品を考案した。南区と自分たちの「10歳」を祝おうと取り組んできた総合学習の一環。3月3日には食材提供業者や市区職員らを学校へ招き、相模原の魅力が詰まったスイーツを披露した。
10歳が考える相模原南区の10周年
同校の4年生は、10歳の自分たちと、誕生10周年の南区を盛り上げるため、6月から総合的な学習に取り組んできた。
まず、南区10周年について保護者にアンケートをとると、知っていると答えた人が約6割にとどまった。1組の児童は周年をPRするために相模原の名産品をリストアップ。すると、今度はその名物でさえも認知度が低いことがわかった。
そこで、「南区の名物をつくろう」と児童が目を付けたのは和菓子。ボーノ相模大野1階に店を構える甘味処「ぎんざ若松」の協力を得て、調査や話し合いを重ね、地元産の食材を商品に取り入れることも決めた。
そしてついに、「なるベリーファーム」(中央区)のいちごがのったあんみつ、「豊国屋」(新戸)の津久井在来大豆きな粉をまぶしたくずもち、「市川農場」(緑区)のブルーベリーを散りばめたパンケーキをセットにした『10周年甘10(あまとう)三区盛り』ができあがった。
3月30日まで若松で販売
食材生産者や菅谷貴子南区長、緑区長、中央副区長らが参加して体育館で行われた3日の完成披露お茶会で児童は、パソコンを駆使して自分たちで作成した資料を壁に映して学習の成果を発表。来賓からの質問に対し、「高齢者の方にもなじみやすいと考え、和菓子にした」などといったエピソードも明かした。その後、試食品を振る舞われた来賓らは「見た目もきれい」と感想を述べ、地産の味覚が詰まった「新名物」に舌鼓を打った。
発表を担当した外池(とのいけ)一貴さんは「心を込めたからだと思うけれど、おいしそうに食べてもらえた」とうれしそうに話し、篠㟢慧さんは「商品説明で話しているうちに緊張が解けてきた。チャレンジすることが大切だと思った。あまり知られていない他の相模原名物も広めていきたい」と元気に話した。担任の佐藤司明教諭は「子どもたちは調べていく中で相模原にはいろいろ良いものがあるということがわかってきた。学習を重ねて相模原の名産を家族や地域の人に自慢できるようになり、地元に対する芽生えが出てきていることが成果」と目を細めた。
「三区盛り」は3月30日(火)まで、ぎんざ若松で税込1200円で販売中。持ち帰り用(同680円)もある。なお、1組に先立ち、2組は地元店と協力して南区10周年ラーメンを開発した。