小田中央町内会(荒金嘉昭会長)は毎月第3月曜日、一人暮らしの高齢者を対象とした会食会「月よう会」を開催している。約40人が会場となる同町内会館を訪れ、昼食を楽しみながら、会話に花を咲かせる。食事後は歌や口の体操でちょっとした介護予防の取り組みも。地域包括支援センターや保健所職員を招いて情報発信もしている。
「旬の食材で季節感じて」
メニューは全て愛情のこもった手作り。3月は雛祭りに合わせてちらし寿司や、6月にはアユの姿焼き、秋口にはサンマなど、季節の旬をメインに取り入れ、副菜は彩りやバランスを見ながらボランティアで献立を決める。食べやすいよう小さめに切ったり、味の濃さを調整したりとこだわりは尽きない。現場責任者の飯田雅子さんは「『おいしかった』『来月も楽しみ』と喜んでもらえるのがうれしいですね」と笑顔で語る。
地域の眼で見守り
地域でいち早くスタートした「月よう会」は、今年33年目を迎える。長く続く秘訣は「きめ細やかな声掛け」だという。会食会への参加者のほとんどが、地域からの声掛けによるものだ。「あそこのお宅がお一人暮らしになられたよ」と、知らせてくれる人もいるのだとか。情報を得たら、ボランティアは逐一、自宅に訪問して声掛けを行う。荒金会長は「地域の眼が高齢者を見守るというネットワークができている。会食会がその一役を担っている」と話す。
コロナ禍は配食も
新型コロナ感染拡大により昨年3月から会食会の開催を自粛。その間も継続して見守り活動を続けようと、会員39人の自宅を訪問し、季節のお菓子やハンドソープなどを届けながら状況確認を行っている。「家にこもりがちな今だからこそ必要なことだと思います」と飯田さん。
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水谷吉孝川崎区長は「食べることは大きな楽しみのひとつ。みんなと楽しめる会食会は地域の愛情と人とのつながりを実感できる大切な場所」と話している。