元八王子町の住宅地の一角に山葡萄の籠の工房があります。その名も「松本奈川山ぶどう籠工房千三郎」。工房を主宰するは奥原千年さん。自宅兼工房で山葡萄の籠を作り始めて10年がたつことを記念し、11月6日(土)と7日(日)に工房で記念展示販売会が行われます。
いい材質は黒飴色が出る

編み方、材料で善し悪しが決まる山葡萄の籠 網代編み89,000円
奥原さんによると山葡萄の籠の善し悪しは、材料と編み方で決まります。毎年6月15日~7月10日までの間、奥原さんの故郷、長野県の木曽谷へ山葡萄の木の採取へ。この期間以外に採取したものは、同じ樹木でも「耐久性が弱く使い物にならない」のだそう。
- 奥原さんは「いい材料というのは、皮自体に艶があり剥げていないこと。特に日当たり良い南斜面に生えている樹木がよい」といいます。

使い込むほど飴色に輝く。左が新しく、右が使い込んだもの
この経年変化に魅せられ山葡萄の虜になっていくのだとか。
「新潟、群馬、青森…気になる職人を訪ね歩いた」
奥原さんが山葡萄の籠を作り始めたのは定年後。中学の同窓会で、同級生が趣味で花籠を編んでいる話を聞き興味を持ったそう。「山葡萄の木があったな」と、郷里の山を思い出した奥原さん。ここから山葡萄の籠製作が始まりました。扱う材料は山葡萄のほか、胡桃、ヒバまで。新潟、群馬、青森など、気になる職人さんがいれば訪ね、材料の扱い方から編み方まで教えを乞いに行ったそうです。

編み目を詰めていく奥原さん
評判を呼び、三越出店まで

太さの違うひごを使った「乱れ編み」62,000円
コロナ禍によりイベント数は減ったものの、年間10~12カ所のイベントに出店していたそう。奥原さんの固定ファンもついています。口コミで評判が広まり、名古屋栄三越店のバイヤーから声がかかり、2021年6月、三越で展示販売会も行いました。「丁寧に編み、材料にこだわり作っています」と奥原さん。手仕事の豊かさを実感させる逸品が揃います。
- 奥原さんの作品はホームページかインスタ「kagooyaji」をチェック
奥原さんの山葡萄の籠はどこで手に入る?
11月6日(土)・7日(日)「10周年記念展」
会場:松本奈川山ぶどう籠工房千三郎
雨天のときは翌週(11月13日、14日)に延期11月20日(土)・21日(日)イベント出店
会場:道の駅 八王子滝山
- カード支払い可