「インターネットで町会の情報をとれないか」―。上作延町会(淺田幾美(きよし)会長)でこんな意見が出たのは、一昨年4月の定期総会のこと。ホームページは作成していたが、更新が滞っていた。「役員は高齢だし、ネットには拒否反応があった」と役員ら。
そこで、京都から転入してきた30代の組長・西澤孝啓さんにIT委員会の立ち上げを依頼。西澤さんは同委員会のリーダーとしてホームページのリニューアルに着手した。その後、各部の活動報告や町会からのお知らせ、古紙回収の情報などを更新し、印刷物の削減や過去の資料検索にも役立てている。他にも、ユーチューブ動画で上作延の歴史や名所、防災などを紹介。「ほかの地域の方たちが上作延を検索してこのページにヒットしたとき、『住みたい街』と思ってもらえるようなページにしたい」と役員の三田康子さんは話す。
一方で、インターネットに馴染みのない世代のために、主要なお知らせに関しては今も回覧板を使用している。今後は、ホームページに上げている動画を町会会館で上映することも検討しているそう。
今年10月、ホームページが大活躍したイベントがあった。同町会では10月23日、コロナ禍で中止となった多くの町会行事の代わりに打ち上げ花火を実施。密を避け、自宅で花火を楽しめるよう動画も生配信した。その際に役員紹介や消防団のインタビューも盛り込み、評判は上々。再生回数は1000回を超えた。
「まずは参加を」
町内会・自治会にとって会員数の減少は課題とされており、同町会も会員確保には頭を悩ませている。淺田会長は「『役員になりたくない』と思う人もいるかもしれないが、まずは行事に参加してみてほしい。仲間とつくりあげるのは面白いし、問題意識も出てくる」と呼び掛ける。
打ち上げ花火の動画
このコーナーは、日常生活の中で”実は身近な”町内会・自治会活動を紹介しています。加入等の問い合わせは事務局(高津区地域振興課)【電話】044・861・3144