SDGsに対し、私たちはどんな意識を持ち、どう行動することが未来へとつながるのかー。2019年から消費者庁のエシカルライフスタイルSDGsアンバサダーとして活動するモデルの冨永愛さんにお話をうかがいました。
◆SDGsに関心を持つきっかけは何だったのでしょうか?
実は、きっかけというきっかけはないんです。相模原という自然の多い場所に育ち、その中で自然の大切さだったり、子どもが生まれてからは食の大切さなど、さまざまなものに関心を持つようになったんです。
もともとジョイセフ(女性の命と健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGO)やWFP(国連世界食糧計画)の活動もやっていましたので、SDGsというよりも、社会貢献への関心が高かったんですよね。それが現在のSDGsの活動につながっていると思います。
◆お子さんと一緒に取り組んでいる活動はありますか?
一緒にというものはありませんが、一緒に生活する上で「これがこうなっているとリサイクルしにくいんだよ」など、分かりやすい言葉で話をするようにはしています。「ペットボトルは買いすぎない」「食べ残しをしない」という話は昔からしていますね。
◆ファッション業界で話題になっている取り組みはありますか?
そうですね。モデル仲間やデザイナーなど、さまざま人とSDGsにどのように関わっていくのかよく話をしています。
服を作ることに関しては、やはりエシカルだったりサステナブルな取り組みをしている企業が増えました。私も、いち消費者としてブランドがどのような活動をしているか、もしくは服自体がどのようなエシカルな商品なのか調べるようになりました。でもファッションというもの自体はやはり、かわいいとかかっこいい、綺麗という自分が心惹かれるものが一番最初に選ぶ基準ではあると思います。そうじゃないとファッションの楽しさが無くなってしまいますからね。
◆SDGsを実践してくためのアドバイスをお願いします
SDGsというと、堅苦しくて生活しにくいみたいなイメージがあると思いますが、そうではなくて『生活の質を高めるもの』という認識をするといいと思います。より良い生活を送るための目標ですから。後世に「どのような地球を残していくか」「どのような環境を作っていくか」いうことのために目標があるということを理解し、関心を持ってもらえるとうれしいですね。
コンポストでできた堆肥を回収するシステムを作って欲しい
私が育った相模原市もそうなのですが、最近はSDGsに力を入れている自治体が多いと思います。これは提案なのですが、コンポストでできた堆肥を回収するシステムを作って欲しいと思っています。生ごみは日々出るのでどんどん堆肥ができてしまう。だけど、その土を使わないっていう方がすごく多いんですよ。家庭菜園をしていたり広いお庭があればいいですが、みんながそうではありません。堆肥を必要としている農家さんと協力するなど、循環システムが構築されるとさらに多くの方が実践できると思います。
ー冨永さんも自宅で使われているのですか?
はい。私はLFCコンポスト(生ごみを微生物の働きで分解させて堆肥にする処理方法)を使っているので、土を自分でまぜていくスタイルなのですが、どんどんできてしまうんです。用途に困ることもあって、それで回収システムのことをお伝えしたかったんです。
ー作った堆肥はどのように利用されているのでしょう?
自分でも使いますし、母や姉妹がガーデニングが好きなのでそこで使ってもらっています。私は野菜や花を育てるということがなかなかできないので、もし家族から「もういらない」なんて言われてしまうと「土どうしよう…」って困っちゃいますね。なので、やはり自治体で回収システムがあると助かるなって。他のごみ収集と同じように「何曜日は堆肥の日」ってやっていただきたいですね。
ー他にもリサイクルやリユースなどに取り組んでいますか?
はい。不要になった羽毛布団があったのですが、綺麗に洗ってから児童養護施設に寄付できるというシステムを発見しました。少し手間ですが、捨てるよりはいい。そんな風に、何とか捨てなくてもよい方法を日々調べています。
【プロフィール】
冨永 愛(とみなが あい)…神奈川県相模原市出身。17歳でNYコレクションにてデビュー以来、日本人離れしたスタイルと存在感で活躍。WFPの顧問やジョイセフのアンバサダーとして社会貢献活動に携わり、2019年からは消費者庁エシカルライフスタイルSDGsアンバサダーを務める。2021年に「ITOCHU SDGs STUDIO」エバンジェリスト就任。一児の母。