毎週1回、地域のみんなで体操を―。坂戸御嶽神社では毎週末、近隣住民向けの青空体操を開催している。回を重ねるごとに住民同士の交流の輪が広がり、健康づくりにも一役買っている。
これは、坂戸第一町会と同神社が主催。神社の責任役員を務める前島幸雄さんが中心となり、今年4月から始まったものだ。コロナ下で神社の催しなども行えていなかったことに加え、地元中学生の野球チームの監督を昨年で引退したことから「身近な地域で何かできないか」と模索していたという。そんな中、少年野球時代の教え子で、日本体育大学体操部のコーチを務める新井庸太さんに体操の講師を打診。「坂戸青空体操」の実施が決まった。
新井さんは日体大入学後、体操部に所属。得点を競うのではなく、集団での演技を行う分野で技術を磨き、現在は体育学部の助手も務めている。昨年10月からは、NHKの番組「テレビ体操」に初の男性アシスタントとして出演中。「地元で子どもたちに教えたい、という思いがあった」と新井さんは話す。
体操は月によって毎週土曜か日曜の朝8時から開催。初回から20人ほどが訪れ、現在も20〜30人ほどが参加する。70代、80代が中心だが夫婦や親子連れのほか、最年少では3歳の女児の姿も。居住地を問わず誰でも参加可能だ。「まずは楽しんでもらうために、知らなかったことを知ってもらったり、コミュニケーションできる場にしたい」と新井さん。毎回、一つの運動にスポットを当てて意味やコツを説明するワンポイントアドバイスを行うほか、2人1組になるような軽い体操も組み合わせるなど工夫すしている。神社の奉賛部役員の荻島正寛さんが写真や動画を撮影し、記録や広報を担当する。回を重ねるごとに参加者同士の会話も増え、談笑したり一緒に帰ったりする姿もみられるようになった。「隣りに誰が住んでいるのかもわからない時代。地域のみんなが知り合いになれる場になれば」と前島さんは話している。