横須賀と三浦の両市をエリアとする横須賀法人会青年部会は、創立40周年記念事業の一環として「ふるさと納税」返礼品の新規登録を後押しする商品アイデアコンテストを実施している。8月17日に横須賀商工会議所で、18日には三浦商工会議所で、書類選考を通過したユニークかつ魅力的な商品を提案した地元事業者らによるプレゼンテーションと試食が実施された。
ふるさと納税は自治体の貴重な財源である一方で競争が過熱しており、返礼品の役割が増している。そこで同部会は地元事業者に名産品や体験アクティビティなどを考案してもらおうと、両市の返礼品リストへの登録とPRをサポートするコンテストを企画。横須賀・三浦の魅力を全国に発信していくことで、納税額を増やすほか、来訪促進に繋がる商品を増やし、消費機会の拡大を目指す。
6月15日から7月29日まで応募期間を設け、横須賀市から10件、三浦市から11件のアイデアが寄せられた。その中から各5件に絞り込んだ。
三浦市では、㈱三崎恵水産(城ヶ島)の石橋悠さんが「シーフード&ミソめかじき味噌漬け3種セット」を提案。「懐かしくて、あたらしい。」をコンセプトに、三崎で親しまれてきた「まぐろの漬魚」をアレンジ。レギュラー・大トロ・タンドリーを用意し、弁当や朝食などに使いやすいよう食べやすいサイズにカット。若者ウケするパッケージもこだわった。
日本料理「慈こう」、味の旬彩「てん心」を運営する㈲じこう(入江)の石坂昌司代表は、三浦産キャベツで作ったシューアイス「chou chou」を考案。鈴木農園(高円坊)の鈴木功さん協力のもと、市場には出回らず、廃棄される外葉に目を付けた。鮮やかなグリーンを表現するため、日本料理の伝統技法「青寄せ」で色素を抽出。「くず」を使用した滑らかな舌触りで、フードロス解消に繋がるスイーツを仕上げた。
まぐろ問屋㈱西松(三崎)の相原宏介社長は「天然まぐろスモーク生ハム」で勝負。桜材のチップで燻したメバチマグロの香りが食欲をそそる一品。もちもちとした食感で、洋風や中華、エスニックなど幅広く合わせられる。
発泡スチロール製造販売会社㈱羽根三浦出張所(諸磯)からは2件エントリー。一つは、農業生産法人デリーターファーム(高円坊)とタッグを組み、畑に囲まれた水源地跡地の湧き水を利用し、5月に開所したニジマスの釣り堀のペアチケットと三浦野菜や烏骨鶏の卵などを詰め合わせたおたお土産引換券。もう一つは、三重県漁連(城ヶ島)とコラボ。四国や鹿児島沖で採れた養殖のカンパチやヒラメ、真鯛などが入った「鮮魚活き〆お刺身セット(特盛)」を発表した。
横須賀市の5件は、㈲いずみタクシー「タクシーで巡る~鎌倉殿の13人~三浦一族ゆかりの地」、㈱佐藤船舶工業「オンリーワンのネームプレートを作ろう」、さかくら総本家「横須賀赤レンガ(黒糖クルミ餅)」、衣笠商店街振興組合「甲冑着付体験と商店街お買物券」、㈱シテコベ「プレミアム農業体験」。
同部会が9月15日㈭に開く40周年記念式典で、市長賞・法人会会長賞・青年部部会長賞各3件を決定。受賞者には賞金5万円が与えられる。