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「オストメイト」をご存知ですか?2024年10月9日、川崎市で「落語鑑賞会」を開催。「オストメイト」ミニ講座も

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「オストメイト」をご存知ですか?2024年10月9日、川崎市で「落語鑑賞会」を開催。「オストメイト」ミニ講座も
オストメイト並びにオストメイト用設備が設置されているマーク

「オストメイト」は全国に20万人以上とも

 直腸がんや膀胱がん、潰瘍性大腸炎やクローン病などの病気が原因で、腹部に人工肛門や人工膀胱の排せつ口(ストーマ)を設けている人を「オストメイト」といいます。健康な人とは違い、排せつ物を自動的に体外へ出すことができないため、排せつ物を受け止める専用の袋を腹部に装着し日常生活を送っています。

 全国には20万人以上のオストメイトがいるとされ、その当事者や家族らが加盟している『公益社団法人日本オストミー協会』では、安心して暮らせる社会づくりなどを目指して活動しています。

20代で潰瘍性大腸炎を発症。「当時と比べ、環境は大幅に改善」

 長年、同協会の神奈川支部の事務局長を務め、現在も会員として活動を続ける須田紗代子さん(76)がオストメイトになったのは20代の頃。

 長男を出産後、トイレットペーパーに血が付く程度の出血があったため病院に行ったところ、直腸にポリープが見つかりました。しかし、医師から「授乳が終わってから再診に来てください」と言われたため、再び病院を訪れたのはそれから数カ月後。その際、あったはずのポリープが消えてなくなっていたため、精密検査を受けたところ「潰瘍性大腸炎」と診断されました。

 「最初は治ると信じて通院していました。でも、検査するたびに大腸が細くなり、トイレの回数も1日20~30回に増え、入退院を繰り返すようになって。日常生活もままならなくなり、限界でした」。手術を決断したのは、出産してから5年後。

最近の状況について話し合う須田さん(左)と坂本さん

 術後は人目が気になり、「大部屋での入院は絶対に嫌!」と医師に泣きつき、自宅で生活することになりましたが、この選択が最も安心できたと振り返ります。

 当時は装具が充実していなかったため、ストーマを装着する周辺の皮膚を日光浴させてかぶれないようにしたり、排せつ物が漏れないようにさまざまな手段で工夫していたという須田さん。しかし今では「装具の品質も向上し、漏れないし、ニオイもないし、かぶれにくい」と、この50年で大きく変わった環境に満足しているそう。

 装具が市販されていない不便さはあるものの、「旅行の時でも、ストーマ装具など一式をしっかり用意すれば、数日間は楽しめます」と笑顔を見せます。

直腸と肛門を摘出。「元気をくれたのはオストミー協会の会員でした」

 日本オストミー協会の川崎市支部長を務める坂本純さん(67)は、定年を目前に控えた57歳の時に「大腸がん」と診断されました。

 「仕事が忙しく、3年ぶりに検診を受けたら、医師が『これはヤバいぞ!』って」。その後、手術は8時間にも及び、直腸と肛門の摘出を余儀なくされました。「初めはお腹のストーマを見ることすらイヤで。生活していてもいつも気になるし、仕事にも集中できなくて」。排せつを抑えようとするあまり、食事も進まず、体重は80㎏台から60㎏台へと減少。心身ともに落ち込みかけていた坂本さんを救ってくれたのは、日本オストミー協会の会員でした。

 初めて参加した協会の総会で感じたのは、会員の前向きで明るい姿。「みんな和気あいあいで楽しそうに生きているなぁって。初参加の私に、『おっ、初心者マークだね!』って。悩みなんか吹き飛び、むしろ元気が出ましたよ」と坂本さんは回想します。

ストーマを持ち、機能を説明する2人

認知度低く、社会的な理解も進まず

 日本オストミー協会では、精神的な支え合いだけでなく、生き方や働き方の再発見、障害年金制度などの情報共有、権利の主張に関する活動など、加入することで得られるメリットは多いといいます。しかし、会員は減少傾向に。

 厚生労働省と国立がん研究センターが2022年に公表したデータによると、新たに大腸がんと診断された罹患者は男性87,872人・女性67,753人。それに伴いオストメイトの数も増えていると見られますが、逆に会員が減少しているという要因の一つは「認知度の低さ」。オストメイトを対象に行った調査でも、約8割が「協会の存在を知らない」と回答しています。最近では被災地における避難所の深刻なトイレ問題を機に「オストメイト対応トイレ」にも注目が集まりましたが、全国的な普及には至っていません。

「オストミー協会で、一緒に活動を進めましょう」

 会員が増えないもう一つの理由は、社会的なマイナスイメージ。特に若い世代はオストメイトであることを知られたくないと、「オストメイトマーク」の使用を避ける人も少なくないようです。実際、オストメイトの入浴を拒否する温泉施設もあるといい、社会的な理解が進んでいないことの表れともいえそうです。 

エポックなかはらで、10月9日に「落語鑑賞会」

 オストメイトへの理解を少しでも深めてもらおうと、日本オストミー協会川崎市支部では、2024年10月9日(水)に、「落語鑑賞会」を開催します。エポックなかはら(中原区上小田中6-22-5)の大ホールで、午後1時開場。真打の三遊亭歌奴さん、二つ目の柳家緑太さん、林家あんこさん、の3人の人気落語家が登場し、笑いを提供する他、オストメイトを知ってもらうミニ講座も。

 坂本さんは「『みんなで笑って健康になろう!』をテーマに、オストメイトの方やご家族、全く関係のない市民の方でも、どなたでもご参加できます。参加無料ですので、お気軽にお越しください」と話しています。

住所

神奈川県川崎市川崎市中原区上小田中6-22-5 エポック中原

電話

090-1211-1224

090-1211-1224

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公開日:2024-07-29

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