写真、絵画、書、クレイアート、プリザーブドフラワー・・・
銀行のロビーを作品の展示場所として提供しているのは、横浜市営地下鉄「センター南」駅から徒歩4分。食品館あおばが目印のビルの2階にある横浜銀行港北ニュータウン南支店。
きっかけは、「都筑の文化を応援したい」というNPO法人都筑文化芸術協会の理事長でセンター南商業地区振興会会長の金子進さんの思いから。
2008年当時、更地で「予定地」のまま遅々として進まないセンター北の文化ホールの建設促進を求め、要望書を提出していた金子さん。横浜市からは「時期尚早」とつれない回答だったが、都筑区から、用地の一部に仮設のスタジオ建設が容認され、ひとまず文化団体が活動を発表する舞台が暫定的に整備された。
次の課題は「展示」スペース。
センター南周辺に作品を展示し、不特定多数の人が訪れ、観覧するような場所として金子さんが、白羽の矢を立てたのが、商業地区振興会の会員でもある横浜銀行港北ニュータウン南支店だった。平日の窓口業務を行っている時間のロビーを展示スペースとして利用協力を打診。承諾を得る形で2008年10月から開催が始まった。

2025年5月の展示はイラストレーター・かわあいきよしさんの作品。かわあいさんの作品は100回目の節目でも展示された
毎月、地元を中心に活動するプロのアーティストからカルチャー教室の作品発表などを1カ月間展示。毎月末の営業終了後に展示替えを行い、新たな展示を始めた。
2025年5月で200回
展示作品はさまざま。油彩、水彩、書、ちぎり絵、イラスト、写真など2次元のものから刺繍や陶芸、レース編みの「クロッシェ」、刺し子の「津軽こぎん」、クレイアート、水引、クリスマスリース、プリザーブドフラワーといった立体アートまで、多種多様なアートを展示。これまでの出展者は300人以上を超えるという。
その後、ボッシュホール(都筑区民文化センター)が2025年3月16日に開館。展示スペースを備えたホールの完成もあり、200回の節目となる5月の展示を最後に修了する予定だったが、アーティスト、横浜銀行双方の希望もあり、6月以降の展示継続も決定した。
5月30日には、横浜銀行の片岡達也代表取締役頭取が、同支店を訪れ、金子さんに直々に感謝状を手渡した。

感謝状を手にする金子さん(左)と片岡頭取
片岡頭取は「200回の長きにわたり、支店に花を添えていただき大変感謝しています。地域と人を繋ぐ銀行を通し、人と人を繋ぐ役割を担っていただいたと思っています」と謝辞を述べた。金子さんは「出展したいという人も多いので、大変ありがたい」と感謝した。