三浦市南下浦町菊名在住のギャンビル・ウイリアム海音(かいと)さん(星槎高校3年)は、7月28日から31日に開かれた「全国高等学校ライフル射撃競技選手権大会」(インターハイ)のビームライフルの種目で優勝を果たした。インターハイは3年連続の出場だったが、3度目にして初めて頂点を射止めた。
ライフル射撃は、約4・5キロの競技用銃を両手で構え、10m先にある大きさ0・5ミリの的の中心部を狙う競技。円状に広がる的の中心部に近いほど点数が高く、1射の満点は10・9点。ビームライフルは、引き金を引くと実弾の代わりに光線が発射される。
ギャンビルさんは点数が低い競技者から敗退していく「サドンデス方式」の決勝戦で251・6点を記録。決勝大会新記録を樹立し、栄冠をつかんだ。「最後の3人になると会場から手拍子が起きる。全員が1発1発に集中して、全力を出して戦う雰囲気が楽しい」と競技の魅力を語る。
同大会のビームライフル部門は、競技前の試射時間が短く、ギャンビルさんは「大会前の普段の練習でサイト(照準器)を狂わせてから、素早く合わせるメニューをこなしてきた」と練習の成果を振り返る。
幼少期から親しみ
物心ついた時から、父親や、アメリカで保安官をしている叔父の影響で銃に憧れを抱いており、小学3年生の時に競技を開始。以後は、くりはま花の国の射撃場を拠点に的を狙い続けてきた。伊勢原市にある射撃場にも足しげく通い、日夜腕を磨き続けている。
周囲の支えに感謝
日本と比べると銃規制が緩いスロベニアの現地チームにも所属。元五輪選手や諸外国の様々な選手との交流で、技術を身に着けている。「銃を通じて世界中に仲間が増えた。個人競技だが、色々な人がサポートしてくれる環境に感謝したい」
小学生から高校生までの全国大会を制覇しており、大学のインカレ優勝も視野に入れている。いずれは米軍関係の「銃のメンテナンスもしてみたい」と将来を見据え、競技の普及にも努めたいと展望を語った。